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■『金の瞳の女神 act1』/10

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■ act 1-10 M'1949/04/18
〜アルテミス奪回作戦会議〜

GM:ヴァルモン帝国軍第六特殊部隊の置き土産によって爆破された『もしもしチャペル』。(編注:イルナ宅のこと) 近所の人達は恐ろしさのあまり、家の外にも出れない様子。さて、その頃シルバートは?
シルバート:炎上している家に戻って、二階へ駆け上がる。「どうしたんだーっ!!」
GM:立ちこめる煙の中、階段を駆け上った君が見たものは……まず、目の前の扉の近くに倒れているヤクルト博士。扉を潜れば、すぐ隣の壁に頭を打ちつけて血を吐いているコール。そして部屋の中央、爆発の起こったらしき現場には、黒コゲで内蔵ビロビロ状態の、ハスがピクリともせず横たわっている(笑)。そんな惨状を目の当りにした医者。
シルバート:アルテミスさんがいないようなので、まずは一番エグいハスを診てみる。
ハス:「ア、アルテミスさんがぁぁーっ、ガクッ」
(イルナ):しゃべるだけしゃべって気絶、ってやつやな。
シルバート:そうか……アルテミスさんは攫われてしまったのか、とか思いつつハスを一通り調べ、「ふむ、こいつは皮膚移植をしなくてはいけないな……」と(笑)。
(イルナ):うれしそうやな(笑)。
ハス:なんか嫌や(笑)。ヤバイ気がする。
シルバート:ではハスを一階の診療室へと運んで行こう。
GM:了解、ベッドに運び込まれたハス。相変わらずビロビロで、今なお、ドクドク流血している。
シルバート:ナイフと針を取り出して、キュッキュッキュッ、と磨きをかける。
GM:それはいーとして、張り付ける皮膚って用意してあんの?
シルバート:え?……それはまぁ……
イルナ:その辺の猫のやつでも剥いでつけたれ(笑)。
ハス:ね、猫の皮って……体の一部だけ猫毛生えてんのかぁ?い、嫌だぁぁっ(笑)!!
シルバート:いや。それよかまず、焼けてない部分の皮膚を切り取って張り付けるよ。
GM:よかったな、自分ので。
イルナ:じゃあ、その剥ぎ取ったところはどーすんの?
シルバート:剥ぎ取るいうてもちょっとだけやん。そのうち元に戻るよ……多分(笑)。
ハス:でも焼けただれたところって、かなり広いと思うが(笑)。
GM:体のあらゆる部分から移植やな。
イルナ:背中からもとったれ。痛いぞ(笑)。
ハス:でも普通はお尻から取るんやけど。
シルバート:後は腹の中に突き刺さった金貨とかをピュッ、ピュッ、と抜き取るわ(笑)。

   (一同爆笑)

ハス:「き、金貨は俺んだあぁぁー」とシルバートの手を握りしめる(笑)。
イルナ:埋めといたれ埋めといたれ!
シルバート:こんなものの為に道を誤って(笑)と、治療を続ける。ま、あとは塗り薬をペタペタペターっと塗たくって、
イルナ:皮膚を張り付け出来上がり!
GM:夏休みの工作みたいやな(笑)。さて、ヤクルトもようやく意識を取り戻したらしく、一階に下りてくる。「やれやれ。とんでもないことになりましたねぇ」
イルナ:とんでもないことですってぇぇ!! ゴゴゴゴ……あ、火ぃ消しに行ってくるわ!
シルバート:「博士、ハス君はしばらく再起不能なんです」
ハス:ピクッと反応する。
GM:でもHPはまだあんねんやろ?
ハス:うん。まだ大丈夫。
GM:じゃあ次の日にはごく普通にムクリと起き上がるわけや。
ハス:そう、全く平気な顔して(笑)。
(イルナ):このゾンビモンキーめ(笑)。

 その頃、とうとう誰の気にも掛けてもらえなかった浮浪者コール=パーバートは……家屋と共に生ゴミの如く燃えていたりする(笑)。やがて一息ついた彼らは、現状を把握しようとない知恵を振り絞り始める。

[状況把握]
GM:まずこれまでのことから、
1、アルテミスのうなじの機械は、クラーゼ博士以外外せない。
2、うなじの機械は普段、額の緑の宝石の力によって制御されている。
3、そのアルテミスが帝国軍第六特殊部隊に拉致された。
4、特殊部隊にはコールの敵、フンディングがいた。

 さらにヤクルトの推測としては、
5、特殊部隊の言動や行動より、クラーゼ博士はまだ捕まっていない可能性が高い。
6、明日、4月19日の学究都市行きペトルシア地方鉄道の始発列車がレールス駅に来るのが5時、貨物車両などを連結して駅を出発するのが5時30分。特殊部隊の指令による赤髪女性の集合時間が5時。

 そして、奴らがわざわざあんなバカでかい飛行船で、派手派手しくこの街までやってきた理由と、これらの関連性などを考えると……

イルナ:単に攫うだけではない、と。
GM:それはみんなで考えて。
ハス:明朝の始発が五時半、赤髪の娘を集めるのが五時、派手派手しくやってきた飛行船……これらをまとめて考えると……飛行船をおとりにして……列車で出発、か?
コール:まるで西木寸京太郎や(笑)。(編注:推理小説作家です)
ハス:五時発の東海道新幹線に乗り、五時半の近鉄南大阪線に乗り換えると……って、違うやろ(笑)。
GM:現在時刻は深夜零時頃。少し偵察にでも行けばわかることやけど、街角には相変わらず兵士達がうようよしている。
シルバート:駅の方は?
GM:そこまではわからんな。
ハス:そーいえば、俺寝てたんやな(笑)。
GM:うむ。怪我人にしては異様にしゃべってるし。で、ヤクルトが続けて言うには、アルテミスはあのうなじの機械の力故に、ヴァルモンだけでなく、おそらくフィラムやカーグラートといった各国の軍事機関からも狙われているはず。それ故我々としては、一刻も早くアルテミスを助け出してクラーゼ博士と合流し、博士に機械を取り除いてもらわなければならないだろう、やって。
ハス:クラーゼ博士と合流するって、博士はここに来るのかなぁ。
GM:ヤクルトに娘の保護を頼んでたくらいやから、その可能性は十分あるかと。
イルナ:ところで五時に赤髪の女性を集めるって、まだやるつもりなんかなぁ、アルテミスはもう手に入れてるんやし。
ハス:そう、そこがポイント。
GM:集めるだけ集めといてさっさと切り上げてしまうかもしれんし、それ以前に出発してしまうかもしれんし……あ、イルナ。知覚ロール×2してみて。
イルナ:(ガシャン)……成功やけど、何?
GM:既に昨日の朝のことになるけど、ヤクルトは今日朝一の列車で学究都市へ向かう、と言っていたのを思い出す。
イルナ:飛行機運ぶんやろ?
GM:ああ。それでその量産型デュート=リグを積み込んだ貨物車両が一両、もう駅に用意されてたり。
ハス:へぇ、じゃあそれに忍び込むってのも一つの手か。
GM:奴らがアルテミスを連れてその始発列車に乗るとしたら、やけどな。
ハス:ほぼそう考えられるな(笑)。
シルバート:第一、飛行船なんて遅いんちゃうん?
GM:速いよ。
シルバート:は?
GM:だって山やら川を迂回せんでもいいし巡航速度も時速50kmくらいは出るからなぁ。
ハス:列車のほうは学究都市行きやろ?
GM:ああ、でも学究都市からは大陸中を網羅した大陸鉄道が出てるねん。この大陸鉄道っていうのは、超科学を生み出したトーラー古世人の流れを汲むラビエル民族によって管理されてて、どの国とも干渉しないし、どの国の法も通用しないっていう鉄道敷地を領土とした独立国家みたいになってるわけ。で、その大陸鉄道では、軍事関係の荷物を輸送することや、駅構内での武器の使用なども、独自の規則で禁じている、と。
ハス:なるほど。つまりそれを使ってアルテミスをヴァルモン領まで連れていけば、他国の武力介入を受けずに済む、と。
シルバート:完全中立地帯ってやつか。
GM:そういうこと。まぁ飛行船でさっさと行ってしまうことも出来るんやけど……。
ハス:他国は飛行船持ってんの?
GM:持ってる。ただ軍事力が一番進んでるのはヴァルモンやな。その次がフィラム、最近ではカーグラートも力をつけつつあるってところ。
ハス:やっぱり飛行船ではリスクが大きいやろな。
イルナ:じゃあ飛行船でアルテミスを連れてくってのは、ないと考えていいわけやね。

[変装小作戦]
GM:で、それらをふまえた君らの行動は?
イルナ:朝の五時に駅前広場に集まった娘達に兵士を注目させておいて、
ハス:させておいて……
イルナ:あたしらはピューって貨物車両に忍び込む。
GM:でも街角にも兵士おるねんで。そのままの格好ではマズかろう。(少なくとも、兵士か赤毛娘くらいには変装してくれよな)
イルナ:旅芸人一座に変装する。
GM:……駅に行くまでに捕まえたらぁ。

[変装大作戦]
ハス:やはり何とかして貨物車両に忍び込むべきだろう。
GM:でも夜動くのはかえってまずかろう。
シルバート:じゃあ朝方か……
ハス:兵士も眠い頃やろな。
イルナ:朝日と共にシャカシャカシャカってカッチョいいよな。
GM:格好はそのままで?
シルバート:いや、全員女装して赤毛に染めて行く。
一同:おおーっ!!
ハス:それやったら多分、飛行船乗せらてししまうぞ。(テ注:いや、全員怪しい奴として引っ捕らえられるだけや)
シルバート:あ、そうか。

[お色気作戦]
ハス:じゃあ変装するため、ヴァルモン兵二三人、間引いてこよか。
イルナ:私のお色気大作戦で!
一同:ぎゃははははっ!!
ハス:あんたがヤッてる間に服をかっさらうというやつ!?
イルナ:やらすなよ(笑)。
シルバート:そいつは一番安全な方法かもしれんな。
ハス:そやろ、安全だよ、これは。
イルナ:あんたらはな(笑)。

 しかし、この作戦では一人一人間引いてこなければならず、時間がかかりすぎるということで、あえなく没になる。言いだしっぺのイルナがホッとしていたように見えたのは、筆者の気のせいだろうか(笑)。

イルナ:じゃあ、シルバートとコールにでも間引いてきてもらおうか。
ハス:そういえば変質者、まだ二階におったんちゃうん?
コール:(平然と) いゃ。ここにおるよ(笑)。
一同:い、いつの間に(笑)。
ハス:じゃ変質者が夜の街でバーっと兵士を
イルナ:『私はコウモリー!!』
ハス:(笑)とか驚かせてる間に、後ろから
シルバート:私が襲いかかる、と(笑)。
GM:お、えーなー。
ハス:俺、動かれへんねんなぁ。動きたいけど。
GM:じゃあそういうわけで、
コール:(とても陽気に)みんなで走って駅に行きましょう!!
一同:んがーっ!!
イルナ:今までの会話はなんやってん(笑)。

 全く話を聞いていなかった浮浪者を加え、作戦会議続行。
 そして結局のところ、明朝の始発列車の貨物車両に乗り込むべく、兵士達に気づかれぬよう駅まで行く為の軍服などを調達する為、医者と浮浪者が深夜の街を徘徊することとなった。



 
 
 

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