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■『金の瞳の女神 act1』/12

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■ act 1-12 M'1949/04/19
〜リアラ〜

GM:さて、君らが僅かな仮眠をとり終えた頃、表もそろそろ白み始めてくる。
シルバート:では装備も整えたし、駅へ向かって出かけようか。
イルナ:レッツゴー!
GM:えーとりあえず、兵士に変装したコールとシルバートが、赤髪娘に女装したイルナとハスを連行している、という状態やね。表に出ると見張りの兵士がかなりいるものの、寝不足のせいもあってか、君らにあまり注意を向けることもない。
ハス:俺の傷、大丈夫なん?
GM:そやな、一応睡眠もとったことやし……(ガシャン)……HP8、回復しといて。さて、変装して進む君ら。途中まではうまく行けるんやけど、貨物車両のある駅の外れに向かって少し道を変えて進み出すと、たちまち二三人のヴァルモン兵に呼び止められる。「おいお前達、どこへ行くんだ? 駅前広場へは向こうの道だろ」
シルバート:「あ、そうでしたか。なにせ初めての街なんで。ちょっと迷ってしまったんですよ。はははは」
GM:「確かにそれはあるな。で、そっちのお前も初めてなのか?」
コール:(蚊の鳴くような声で)「……はい…… 」
一同:おいおい(笑)。
ハス:コール、しっかりせなバレるやろ。
GM:「じゃあ、向こうの道を真っ直ぐ行けば広場に着く。急げよ」
シルバート:「わかりましたー」…って、相手は何人くらい?
GM:三人。
シルバート:三人か……
ハス:(うきうきと)殺るか!? ええぞ、ジャックナイフもあるし。
GM:じゃあ何、その兵士達の前を通りすぎるフリするんか?
ハス:うん。で、すれ違いざま、
GM:君の顔を見た兵士が、顔を近づけてくる。「お前、髭、生やしてないか?」

   (一同爆笑)

ハス:あら(笑)?
GM:「ぬぅぅ。怪しいなぁ。おーい、こっちに来てくれないか」と、その兵士が遠くにいた兵士達に呼びかけると、新たに五六人がやってきて、君らは囲まれてしまう。「少し調べさせてもらおうか」
ハス:ひぃぃっ。
シルバート:「何をだい?」
GM:「とりあえず君の身分証明書を見せてもらおうか」
シルバート:ピッ(テ注:証明書を渡した音)
GM:「なんだこれは。顔写真のところがグニャグニャになっているぞ」(笑)。
シルバート:それは実は……
GM:「あ、こいつ顔が違いやすぜーっ!」と、写真を拭いていた部下らしき兵士が叫ぶ。
ハス:その途端、スカートを跳ね上げて中からジャックナイフを抜き放つ!
一同:気色悪りぃ(笑)。
ハス:仕方ないやろ(笑)。すぐさま手近な奴に襲いかかるぜ!
シルバート:私も一番近い奴に体当たり!
GM:はいな。ハスとシルバートがそれぞれ兵士に襲いかかりだした。が、その騒ぎを聞きつけ、さらに五人程の新手がやってくる。
ハス:ちっ、ドクター、どうしやす?
シルバート:ぬぅぅ。
イルナ:(突然)『アーズの眼』!!(編注:イルナが以前の冒険で手に入れた、謎の水晶玉です)
一同:あぁー?
GM:イルナはその水晶玉を取り出し、登り始めた朝日に掲げた!
ハス:『しかし、なにもおこらなかった……』
シルバート:ドラク工やってる場合ちゃう(笑)。突き倒した兵士の首を締め上げ、「動くな! 少しでも妙なマネをしたら、こいつの首がポキッといくぜ!!」と脅しをかける。
GM:ヴァルモン兵達は全く動じない様子で、全員の銃口が君らに向けられる。
ハス:ドクター。全然効いてないみたいっすよ(笑)。
シルバート:うむ。ヤバいな。

GM:さて、君らを完全に包囲した兵士達の内の一人が、駄目押しとばかりに呼び笛を取り出し吹き鳴らそうとしたとき、どこからともなく澄み切った女性の声が聞こえる。
『我は命ずる、継続せよ。視野にありき抵抗せし者、広き範囲、強き力で混乱せよ。かく為せ』
コール:おおっ。
GM:次の瞬間、君らを取り囲んでいた兵士達全ての動きが止まる。で、「去れ」という一言で、兵士達は散り散りに走り去って行くわ。
イルナ:やーい、ザマぁみろぉーっ(笑)。……しかし、一体何が起こったのかしら。
GM:解説しよう。これがギア=アンティークにおける魔法なのだ。
ハス:そーなん?
GM:そんなわけで、兵士達を見送った君らの側へと歩み寄ってきたのは、青いローブをまとった緑の髪の女性。「さ、ぐずぐずしてる暇はないわ。軍用飛行船ゼルディテスは出発の準備を始めてるし、駅前広場の赤髪の女性捜しもすぐに切り上げられるでしょう。あなた達がこの道を進むということは、貨物車両に忍び込むつもりね?」
シルバート:「いかにも」
イルナ:ライス人、マハラジャマハラジャ。
GM:「確かにいい考えだと思うけれど、奴らの方でも戦車を一台積み込んだ車両を用意しているから気をつけて。それから駅に入って行ったのは、攫われた彼女とがさつそうな女大佐、それに兵士が五人程。隠密に事を運ぼうとしているようね。前の駅からの乗客も少しはいるだろうし。あなた達はそれらをよく考えて、なんとしても彼女を救い出すのよ。じゃ」 そう言い終えると、彼女は足早に去っていく。
イルナ:「あ、待って、あなたの」
シルバート:「お名前わぁーっ!」
GM:「私はラビエルの旅商人、リアラ。あなた達とはまた会えると思うわ。あ、それからこれを持っていくと役に立つはずよ」と、ごく小さな袋を投げ渡される。
ハス:キャッチ。中身は?
GM:通常手榴弾、破砕手榴弾、火炎手榴弾がそれぞれ一個ずつ。
ハス:イィヤッホォッッ!!
GM:とハスが奇声を上げている間に、彼女の姿は見えなくなってしまう。まぁいろいろ忙しいみたいやね。
コール:ありがとーう!

GM:その後、君らはようやく車両置き場に着いた。辺りには人気もなく、すぐ近くに、既に用意されていた三両編成の貨物車両を見つける。車両の側面に『1、2、3』とそれぞれ描かれていたのですぐにわかることやけど、ヤクルト博士の荷物を積んでるのは二両目やって。
ハス:あ、俺はとりあえずもとの格好に戻るわ。
GM:おいおい。もとの格好って、服なんか持って来てなかったやろ。そのままや(笑)。
シルバート:ほんまや(笑)。
ハス:い、嫌じゃあぁぁぁっっ!!
イルナ:何ゆーてんの。これって服をバーッとめくったら、いつの間にか元の格好に戻ってるってやつやん。
GM:あ、そーか。
イルナ:定番やん。お約束ってやつ(笑)。
GM:はいはい。分かりました。
ハス:すばらしい約束やな。
GM:コールも元の格好に戻る?
コール:え、いや。この服気に入ったからいいよ。
GM:でもそれ、軍服やろ。どうしても、って言うんやったら仕方ないけど、このリプレイの絵描くのって、どーせ俺やろ。面倒くさいのんはあんまり描きたくないねんな。
ハス:というわけでまたコート一枚だぁっ!
コール:仕方ないなぁ。上から羽織るよ。
イルナ:すると中の軍服もパンツもいつの間にか脱げている、というやつね(笑)。
シルバート:器用な奴やなぁ。
ハス:髪の赤色はそのうち落ちてくるやろ。
シルバート:私はその義兄弟のような奇っ怪なことはできんので、上着だけ脱いどくわ。
イルナ:私はこのままでいいよ。それより、はよ貨物車両に乗ろーや。
GM:と言っても、鍵かかってるで。
ハス:じゃあ俺が開けてみよう。
シルバート:と、その前に車両の中に何かおるかもしれん。聞き耳を立ててみよう。聴診器でピッ、と。
一同:(笑)。
GM:おるわけないやろ。それに各車両の側面は巨大な引き戸式扉になってて錠前が付けられてるけど、前後の連結部分の上の方には鉄の小窓がついてるよ。
ハス:じゃあ一号車から順に見ていくよ。
GM:一号車の小窓には内側から鍵がかかってるようや。
ハス:二号車は?
GM:ああ、不用心なことに開いてたよ。薄暗くてよく見えないが、中には例の量産機が入ってるみたい。
ハス:じゃあやはり、ここに潜伏すべきやろな。三号車は?
GM:ぴったりと閉めてあったが、力をこめるとゆっくりと開き出す。と、同時に中から冷気が吹きつけてくる。
イルナ:「うひゃぁ、さ、寒ぅぅ。何が入っているのかしら」
GM:うむ。中にはかのレールスの特産品、冷凍マグロが大量に吊されている。
イルナ:うぅ。寒いわけね。前に行きましょ前に。
ハス:じゃあ二両目の錠前を、俺の修理用具を応用して開けてみよう。
GM:じゃあ作業ロール×1してみて。
ハス:あいよ。(ガシャン)……ぬかった。<幸運の風>を使ってみるわ、(ガシャン)……お、07やって。成功した。
GM:了解。二号車の錠前は、ハスが本能の赴くままにいじくったあげく、カチャリと開きました。
イルナ:猿めいてるな。
ハス:ヤッ! 乗り込むぜっ。
シルバート:タダ乗りやけどな(笑)。



 
 
 

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