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■ act 2-13 M'1949/04/22 
〜廃屋にて語られた真相と、新たな決意〜 
 
GM:さて、コウサくんが家にたどり着く頃には、リアラの意識もようやく戻る。で、どうする? 
ハス:どうする、って言われたってなぁ。黒ローブの男はどうしてる? まだおる? 
GM:おるよ。家の壁にもたれかかってる。ことの成り行きを見てるみたい。 
ソフィ:「あんた一体、何者?」 
GM:「フッ……、通りすがりの天才魔道士、エルバートだ」 
ソフィ:「あぁ、ただの変人ね」 
コール:ところでヤクルト博士は? 
ハス:あ、忘れてた(笑)! ひょっとして鉄鋼鎧つけたまま、地下室におったんかな。ずっと(笑)。 
GM:そやと思う(笑)。目まぐるしくNPCさばいてたんで、俺もすっかり忘れてたわ。 
ソフィ:ゲームマスターにすら忘れられたノンプレーヤーキャラクターって、一体(笑)。 
コール:自分で鎧外しとったんとちゃう? 
GM:そういうことにしておこう。で、リアラが一体どうなったのかと状況を聞いてくるけど。 
ハス:まぁ、色々あったからなぁ。とにかく一応、かくかくしかじかと説明しとくよ。 
シルバート:あ、リアラさん。魔族とは一体何者なんですか? 
GM:「私よりもそこの黒ローブの方の方がよくご存じなのでは」と、自称天才魔道士の方を向く。 
ソフィ:ちょっと変なオッサンの方ね(笑) 
。GM:「魔族……奴らは私達の敵だった。まさかこのような異郷の地で出会うとは思ってもいなかったが」とか言って遠い目をしてる。 
ソフィ:まー別に遠い目をするのは構わんけど……やっぱり変人やねぇ。 
GM:と、突然その男が呻きながらうずくまるよ。 
シルバート:「ど、どうしたんですか?」 
GM:「ト、トイレはどこだーっ!」 
ハス:(笑)!「あっちです!」 
GM:「借りるぞーっ!」 そう言い残して自称天才魔道士はトイレに駆け込んでいった。 
ソフィ:トイレの扉、思い切っきりしめた途端、周りの壁が崩れたりして(笑)。 
 
       (一同爆笑) 
 
ハス:そこまで廃屋化していたのか、この家は(笑)。ところであの『愛のメッセンジャー』って結局なんやったん? 
ソフィ:イルナさんの商売敵やろ。ほれ、昔なんとかいう水晶玉奪いあってたらしいよ。 
GM:『アーズの眼』や。 
ハス:今、コールの持ってるやつやな。 
コール:うん。それよりも聞いといた方がいいんとちゃう?ロ、ロ、ロ、ロ……… 
シルバート:ロ? 
GM:ロ?(言え!あれの事やろ) 
ハス:は? なにゆーてんねん? 
コール:いや、実際の俺は知らんから言えんねんけど……(編注:今、GMが一番聞いて欲しいことを唯一言おうとしていた変質者) 
ソフィ:あぁ、ロリエスの事か。 
コール:そ、それもあるけど……敵の魔術師がなんか言ってなかった? 
ハス:そういや、なんか言ってたなぁ。ちょっと待ってや……ロ、ロ、ロ、……ロゼッタや!!! 
コール:そうそう。 
ハス:ロゼッタ! ロゼッタ! ロゼッタ!!! 「リアラさん、ロゼッタとはなんですかっ!」 
GM:そう問われると、「とうとうロゼッタの事……私の目的について話す時が来たようね」と、リアラは改まったような口調で、大体次のような事を話し始める。 
 
 ロゼッタというのは、かつてのトーラー文明によって産み出された歴史上最高最強にして不老不死の情報提供生命体のことらしい。  大昔にトーラー古世人によって造られたロゼッタは全12体。その内の一体が、かつてのトーラー古世人を祖先とする、ラビエル民族の管理する鉄の山の奥深くにあったが、最近になって、それがヴァルモン帝国軍によって盗み出されることになる。で、リアラはロゼッタを取り戻す為、あるいは最悪、悪用されないよう破壊する為に、鉄の山からやってきたというわけ。 
 
 ロゼッタ本体は、人間自体ではなく、うなじから延髄にかけて寄生する半鉱物半生物のシステムであり、鉄の山からそれを盗み出したヴァルモンは、同じく拉致したクラーゼ博士に人質として彼の娘、アルテミスにそれを寄生させるよう強制させた。それ故、彼女は帝国軍やその他の各国の軍事機関、その上新たに『夜風の女王』とやらにも狙われる事になったわけ。で、とうとう実際に攫われてしまったんやけど…… 
 
コール:うーん。こんなにややこしかったとは……でも、結局ロゼッタって? 
ハス:アルテミスのうなじに付いてたやつ、まぁコンピュータやな。だから髪が金色になったり、変な事を言い出したりしたわけか。それにしても何の関係もない、ほんま邪魔しーの中年商人に攫われてまうとはなぁ。 
GM:なんの関係もない、か? 
シルバート:そういや『大層高い値で売れる』とか言ってたな。 
ハス:どっかの賞金目当てか。そら高く売れるやろなぁ。 
ソフィ:やっぱり帝国軍かなぁ……売り込み先。 
GM:ま、リアラが「今さらじたばたしても仕方ないわ。今日はもう遅いのでこれからのことはまた明日にでも考えましょ」やって。 
シルバート:寝る場所あるんか? この家…… 
ハス:まぁないやろ。みんなでざこ寝やな。 
GM:厠から戻ってきた自称天才魔道士エルバートとその付き人の女の人…ロミリアさんて言うんやけど…も、一緒に泊まるそうや。 
ソフィ:「おい、自称天才魔道士とかゆーてるんやったら、この家の状態なんとかしてーや」 
コール:あはははは(笑)。それはいい。 
GM:「フッ、天才魔道士はこのような凡人のあばら屋の為に使う力など、持ち合わせていない」とか言いながら、颯爽と人の家の二階に上がっていくよ。その後ろをみんなに謝りながら、ロミリアさんがついていく。で、今頃になって「鎧も外したし、しっかりアルテミスを護るぞーっ!」とか叫びながら、ヤクルト博士が地下室から上がってくる(笑)。 
一同:もぉ、遅いわーっ!! 
 
GM:さて、翌日4月22日金曜日の朝、ボロボロの家の前にこれまたボロボロになった一台の車が止まる。そこから満身創痍といった感じで、扉の吹き飛んでなくなった家の中に入ってくる男の人。クラーゼ博士やね。 
ハス:「あ、あなたは……本物ですか?」 
GM:「む、娘は……アルテミスは無事なのかね」と、凄惨な家の様子に驚きながらもクラーゼ博士が訊いてくる。 
ハス:「ご愁傷様でした……」 
ソフィ:殺すなーっ!! 
GM:まぁ、みんなで朝食を取りながら、話を聞いていたクラーゼ博士はひどく落ち込んだ様子やったけど、しばらく物思いに耽った後、おもむろに口を開く。 
「何者に攫われてもどこへ連れていかれても、私は必ず娘を取り戻し、あの子からロゼッタを取り除くつもりだ。ヤクルト君を初めとする君達には厄介事だとは思うが、あれが権力者や世界を滅ぼそうとする者達に使われることは、絶対に避けなくてはならない。その為にも是非、君達の力を貸して欲しい」 
ハス:「うん。勿論です」 
GM:「幸い、あのロゼッタはまだ真の能力を発揮していない。だからこそ、君達にも協力して欲しいんだ。アルテミスを救い出し、ロゼッタを破壊する為に……」 
ハス:うふふふふふ。(テ注:この含み笑いむっちゃ不気味や……)「勿論ですよーっ!! お父様!!」 
 
   (一同爆笑) 
 
ソフィ:ハスの邪まな妄想はおいといて、「なにやらおもしろいことになりそうなので、あたしも協力するよ」 
シルバート:「ふむ、私も当然、協力させて頂きますよ」 
GM:コールは? 
コール:「じゃ、ロリエスを取りに行くぜ」 
ハス:全然話になってねーっ!! 
GM:リアラも勿論協力するし、エルバートやロミリアさんも、厄介になったお礼に、それなりに手伝うそうや。で、ロリエスを取りに行ったコール。 
コール:あはははは(笑)。ヘイ! 
GM:朝日を浴びながら… 
コール:キ、キ、キィーッ!!(テ注:すごく得意気) 
一同:なにそれ? 
コール:ブルン、ブルン、ウィリーッ! 
 
   (一同大爆笑)  
──果てしなく陽気な変質者。彼の未来は、限り無く明るい。 
  
ハス:おいおい!ロリエスはもっと丁重に扱えよな! 
コール:あははははは(笑)。 
GM:はいはい。そんなわけでマキロニー暦1949年4月22日金曜日、君達はアルテミスを救出すべく、新たな決意をすることになるのであった。 
一同:うおーい! パチパチパチ(拍手喝采) 
 
 
『ロゼッタを手にする者は世界を制する』 
 アルテミスを中心に、事態は急激に加速し始めた。 
 果たしてその行き着くところは…… 
 
 
『act2』 is over. 
See you next act...... 
 
 
 
 
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