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■『金の瞳の女神 act3』/02

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■ act 3-2 M'1949/04/25
〜匪賊、旅に出る〜

GM:じゃあみんなでレドリック大学に着きました。夕陽に染まったキャンパスの一角に巨大な堀っ立て小屋があって、その周りにはこれまた煤だらけの飛行機械部の部員達が、感無量ってな感じで君らを待っていたわけ。ちなみに……ほい、これが小屋の図な。(といってラフスケッチを渡す)
ソフィ:こっ、これわぁっ(笑)! ひょっとしたら開けた途端、壁も屋根も倒れてくる、ってやつちゃうの(笑)?
ハス:ひょっとせんでもそやろ(笑)。「さぁソフィ、俺達のプレゼントを受け取るんだっ!」
ソフィ:ま、周りを見ると?
GM:みんなニコニコと君が小屋の鍵を開けるのを、やや遠巻きに見守ってる(笑)。
ソフィ:は、ははは。じゃあ開けてみよう。
ハス:「皆の衆、撤退! てったいーっ!」(笑)。
GM:ガチャリ。ソフィが小屋の錠前を外し壁を縛っていた鎖が落ちた途端、ゴゴゴゴ…っと四方の壁が傾き始め、ソフィの目の前にも巨大な壁が倒れかかってくる。
ソフィ:逃走。
GM:運動ロール×2でどうぞ。 (編注:毎度説明していますが、キャラシートに記された運動能力を目安としてダイスで1〜100 までの数を出し、その能力値以下なら成功という意味です。×2というのはそのチャンスが二回あるという意味)
ソフィ:(ガシャン)……ヤバい(笑)。(ガシャン)……あぁーっ! ウ、ウィンド・オブ・ラーック! (編注:幸運の風、あるいは頭文字をとってWOLとも言います。『も一回チャンスおくれ!』ということで、WOL能力判定が試せます……が、これを使いすぎると『しっぺ返し』なる事態が起きたりもします) (ガシャン)……し、失敗。
ハス:っしゃーっ!
GM:グワシャーン……轟音が響き渡る。
ソフィ:はうーぅっ!
GM:ソフィを下敷きに倒れた壁の向こうに、夕陽に照らされた巨大な飛行船が現れる。ヤクルト博士が絶叫する。「これぞ我らが最先端の技術を結集し建造された、無限エンジン搭載高速飛行船なのだーっ!」
コール:おおーっ!
GM:「さぁソフィちゃん、この科学の申し子に名前を付けてあげるんだ。そして今日から君がこの船の艦長だ!」
ソフィ:どーでもいいけど、助けて(笑)。
コール:あ、じゃあ助けにいきます。「ソフィさーん、大丈夫ですかーっ?」
GM:コールが倒れた壁の中にゴニョゴニョと忍び込んでゆき、ヘロヘロになったソフィを引きずり出してくる。
ソフィ:「ア、アンタ達、覚えてなさい……」
ハス:「よぅ、艦長。命名式や」
GM:そうそう、名前なんにする?
シルバート:なるべくカッチョいいやつな。
ソフィ:ええーっと、それじゃあ名前は…………『なこるる壱號!』
一同:……なにそれ。
(編注:その当時、侍魂にハマっていた、というか知っていたのは、このソフィ役の山田幻庵唯一人でした。余談ながら今思えば、この時に私が侍魂と出会わなければ、それはそれでひょっとすると幸せだったのではないかとも思ったりします)
GM:さて、その夜。夕食後にリアラが話すには、「例の男とアルテミスは王都に到着して、そこから大陸鉄道で先程旧ユークリード方面へ向かったわ。彼らが旧ユークリードに降りるのはほぼ間違いないから、そろそろ私達も行動を起こすべきかと……」やって。
ハス:(地図を見ながら)確かに、旧ユークリードより向こうはヴァルモン帝領でヤバいみたいやな。でも旧ユークリードも今はなんかヤバそうやし、もし降りたとしても一体何の用があるんやろ?
シルバート:まぁそういうことは、ここで考えてても仕方ないやろ。アルテミスをあんまり手の届かん所に引き離されるのも困るし、そろそろこっちも動くべきやなぁ。
コール:じゃそういうことで、旧ユークリードに出発しましょう!
ハス:で、俺らは何で移動する?
シルバート:飛行船。
ハス:やっぱりそうかなぁ。
GM:ま、確かに飛行船ならすぐにドルグ達に追いつくことも出来るけど、空飛びながら旧ユークリードまで行くとなると、相当目立つよ。
ハス:そうか、今ヤバかってんな。帝国軍は戦車80台に大型飛行戦艦やもんな。
GM:(この男、もうドンパチする気か?)
ソフィ:打ち落とされるのが関の山や。
ハス:じゃあロリエスで地道に追ってくか。
GM:それでは追いつけんと思う。
ハス:となると大陸鉄道やけど……乗る金あるか? 俺はないぞ(笑)。
ソフィ:胸に七枚あるやろ。
ハス:埋まってる。
ソフィ:ここに医者おることやし、メスでえぐり出してもらいーや。
GM:大陸鉄道で旧ユークリードに行くなら、一人金貨2枚といったとこやな。
シルバート:まぁ払えるやろ。
ソフィ:えー子供にそんな大金払わすんー?
ハス:こんな時だけ子供になるなーっ!
GM:で、浮浪者は? お金持ってる?
コール:(陽気に)ないにょ(笑)。
ハス:やはりな(笑)。
コール:大丈夫やって、列車の端にでもひっついとくから。
ハス:そ、そんなことが許されるのか? 大陸鉄道やぞ!

──普通列車でも許されまい。

GM:ちょっとなぁ。管理局にバレたら……
ハス:殺されるぞ(笑)!!

──それはあんまりだ。

 その後も散々絶叫交じりの作戦会議が続いた結果、フィラム王都までなこるる壱号で移動し、そこからコール、ハス、シルバート、ソフィの四人は大陸鉄道で旧ユークリードへ向かい、その他のヤクルト、ユティート、クラーゼ、リアラ、エルバート、ロミリアといったいわゆるNPC(ノンプレイヤーキャラクター) な人々は、そのまま旧ユークリード付近──ヴァルモン軍などを触発させない距離──まで飛行し、待機することとなった。

GM:さて、その夜。アイテムで『アーズの眼』っていうの持ってる人。
コール:はーい。
GM:知覚ロール×1。
コール:(ガシャン)……失敗。
GM:そっか……じゃあ半分寝ぼけながらやけど、コールのコートに入れてたアーズの眼が、ぼんやりと赤く輝いてたような気がする。
コール:ふーん。
GM:で、次の日。26日の早朝。晴れ。人目をはばかるようにレドリック大学へとやってきた君らは、高速飛行船、『なこるる壱號』への積込みを始めてる。
ハス:食料とコウサくんSP、あと飛行機械デュート=リグのプロトタイプなんかもな。
GM:うん。で、君らはブリッジに集まる。既に無限エンジンは始動してるわ。なかなか居心地よさそう。
ハス:俺は整備員としてエンジンとかの調整をしてるぞ。
GM:ちなみにブリッジは、某宇宙戦艦を想像してくれたらいいと思う。
ハス:メインスクリーン投影(笑)!
ソフィ:『ヤァマァトォの諸君』(笑)。

   (一同爆笑)

ハス:また会えて光栄です。(テ注:なにが)
GM:リアラが言うよ。「水素ガス充填120%。動力機関部から方向舵、昇降舵いずれも異常なし。出航準備整ったわ」 艦長は? 一番高い席に座ってるん?
ソフィ:うん。あの椅子上下に動くねんでー(笑)。「それでは、しゅっぱーつ!」
ハス:「おい。もうちょっとカッチョいい言い方はないんか?」
ソフィ:「発射ぁーっ(笑)!」
 
──ミサイルか。

 てなわけで高速飛行船『なこるる壱號』は、昇り始めた朝日の中、飛行機械部の部員達に見送られ、フィラム王都へ向けて出航するのであった。



 
 
 

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■『金の瞳の女神 act3』/02

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