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■『金の瞳の女神 act3』/04

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■ act 3-4 M'1949/04/27
〜重苦しい空気に満ちた旧都と、残飯通りで浮かれる浮浪者〜

GM:さて次の日。列車の窓から旧ユークリードの都が見え始めてくる。でも都に近づくにつれ、状況がかなり緊迫していることに気づく。
シルバート:と、いうと?
GM:フィラムの戦車団が都の周りを大きく包囲してるんやけど、更にその内側に、ヴァルモン帝国の戦車団と、都の王城上空に巨大な飛行船が停泊してる状態やね。戦車の数などではフィラムの方が優勢やけど、ヴァルモンは都の人々を人質にとってるみたい。依然切迫した状況ってこと。で、そうするうちに軍事介入など受けることのない大陸鉄道の巨大列車は、ブレーキの音を響かせて旧ユークリード駅に到着する。ほれ、さっき渡したフィラムの地図の裏が、旧ユークリードの都の地図になってるから見ていいよ。さて、どうする?
ハス:やはり、アルテミスがおるとすれば王城かな?
シルバート:あ、これ。水晶球あんねんや。
ハス:そうか! じゃあ、呪文唱えて。
シルバート:…………は?
GM:忘れてたら無理と言うことで(笑)。
シルバート:…………(笑)。
ハス:おひおひ(笑)!!
ソフィ:しゃーないわね。あたしが玉を奪って叫ぶよ。『ピピルマピピルマプリリンパ、パパレポパパレポドリミンパ、どっきんハートで♪((編注:魔女っ子系アニメ、ミソキーモモ辺りのテーマ曲だったように思います。当然ソッチ系の濃厚な人、ソフィこと山田タケシが最後まで歌い出したわけで……)
一同:もーええ(笑)。
GM:水晶玉から光が溢れ、アルテミスの姿が浮かび上がる。どうやらとある部屋の一室に監禁されてるみたい。
ソフィ:部屋の様子は?
GM:なかなか趣深い。
ハス:家具類は?
GM:高級品みたい。
ハス:ということは、やはり王城か!
シルバート:つまり王城はもう、帝国軍の手に堕ちたと考えていいというわけかな。
GM:ちなみに君ら、駅から出たん?
ハス:いや、まだホームに潜んどく。
GM:あ、そ。すると君らは黒い鎧姿の赤毛女が部下の兵士を引き連れ、駅から出ていくのを目撃する。
ソフィ:あ、昨日の変な人やーっ。
シルバート:こら、大きな声出すんじゃないよ、あのガリューダ大佐に聞こえでもしたら、私達の命が危うくなる(笑)。
ハス:ああ、思い出すだけでも恐ろしい。奴の名を口にするのもおぞましい(笑)。で、奴の事は忘れて、どうするコール? アルテミスは王城に捕らわれてるみたいやけど。
コール:え? 誰が?
ソフィ:方位磁石失って放心状態かよ(笑)。
シルバート:とりあえず我々も駅を出て、王城の見える所で宿でもとるか。
GM:じゃあみんな駅から出るわけやね。
一同:うん。
GM:では君達が駅から出た途端、この古びた都を覆う重苦しい雰囲気を感じる。まぁ、状況が状況やから観光客などはおらず、その代わりに駅の周りには、銃を手にした帝国軍兵士が、ウヨウヨうろついてる。彼らは君達を胡散臭そうに見てる。
ソフィ:どうも目立ってマズいね。どっか宿屋とかないの?
ハス:(地図を見ながら)『旅路亭』って宿屋が王城にも近くていいみたいや。
シルバート:ではそこに宿をとり、ひとまず夜まで待とう。あ、それから子供をその辺にうろつかせて状況を探ろう……「ソフィちゃん、遊びに行ってらっしゃい」(笑)。
ソフィ:へ?
ハス:偵察に行ってこい! コソ泥ーっ! ガキのお前なら怪しまれまい。
コール:では私も付添いで出かけます。
GM:すると、『旅路亭』で待機することになったのはシルバートとハスで、ソフィとコールは王城周辺の徘徊に出かけるんやね?
一同:うん。
GM:了解。じゃあ君らは、客もまばらな『旅路亭』に宿をとった後、こんな時だけ子供扱いされたソフィと、こんな時こそと子供心に戻ったコールの二人連れが、きな臭い街中を徘徊することになる。
コール:徘徊。はいかーい(笑)。
GM:兵士達は君らをものすごく胡散臭そうに見てる。訊問してくる兵士もおる。「お前達、さっきからなにをうろついてるんだ? それによく見れば、隣の娘はまだ子供じゃあないか。さては貴様、誘拐犯か!」
(ハス):俺もそう見えるぞ(笑)。
コール:「お、おめぐみをーっ! 娘も私もこの通り、路頭に迷ってしまってーっ」と、叫びながらその兵士ににじり寄るよ。
GM:「ギャッ! 寄るなっ、触るなっ!」 コールはその兵士にサーベルの鞘でしたたか殴られた後、近くのドブに突き落とされる。近くにいた小汚い犬三匹が、クゥーン、クゥーンと泥だらけのコールに擦り寄ってくるよ。ソフィはそんな光景を遠くから眺めてるけど……
ソフィ:……ほっといて去る。
GM:コール、どないするねん。野良犬はベロベロ君を舐めてるけど。
コール:あぁ、ありがとうありがとう(笑)。よし、ではもう一回、兵士に擦り寄ってみよう!
GM:「よ、寄るなーっ!!」と、兵士は迫り来る泥だらけの浮浪者を思いっきり蹴り飛ばす。糸の切れた操り人形のように、軽々と吹き飛んだ変質者。なだらかな放物線を描きながら、裏路地近くの生ゴミ箱に頭からはまり込む。
コール:では、その生ゴミ箱を漁る。
GM:コールのその尋常ならざる行為を目の当りにした帝国軍兵士達は、蜘蛛の子を散らすように逃げていった(笑)。
(ハス):お、恐るべし(笑)。
GM:三匹の犬は、そんなコールにも尻尾を振りながら寄ってくるけどな。
コール:「よしよし。お前達にもやるからな」と、獲れたての食べ物をその犬達にも分けてあげよう。
GM:野良犬と一緒に生ゴミ漁りに精を出し始めたコール。それはさておき、ソフィの方は結局どーすんの?
ソフィ:王城を調べに行きたいんやけど……どっか忍び込める所とかないかな?
GM:まぁ、上り坂を進んで王城に近づくにつれ分かる事なんやけど、兵士の数もかなり多くなっている。それに、コールをいたぶってたような兵士とは明らかに格の違う、鋭い目付きの兵士達ばかりやから、とても忍び込む場所を捜せそうな雰囲気ではないな。
ソフィ:しゃーない。とりあえず帰るわ。
GM:では『旅路亭』に戻ってきたソフィ。
ハス:「様子はどうだった?」
ソフィ:「兵士がいっぱいいて、あんまし近づけなかったよ」
ハス:「やはりな……さて、どうやって突入しようか……」
シルバート:「ところでコールは?」(笑)。
ソフィ:「あれ? 一体どこにいったのかしら?」(笑)。
GM:その時コールは、路地裏で残飯漁りに精を出している。ふと隣を見ると、異臭を放つ生ゴミを満載したゴミ箱が路地の奥まで果てなく立ち並んでいる。
コール:おーっ! ここは残飯の宝庫だぁ(笑)!
GM:先ほどからつきまとっていた三匹の野良犬に加え、さらに犬やら猫やらネズミなども、わらわらとコールの元に集まってくる。
コール:お前達。いい所に住んでるなぁ。
(シルバート):残飯の支給でもやるんか?
(ハス):はい、そこ! 列からはみ出さないように! とかゆーて(笑)?
GM:まぁ、そんなわけでコールには好きなだけ生ゴミ漁らせといて、宿屋の三人組、今後の行動はどないすんの?
ハス:ドクター、どうします?
シルバート:陽動作戦。どっか他の街で騒ぎを起こすとか……
ソフィ:無意味やと思うよ。
ハス:第一、この都は二重に包囲されてて、近くの街なんて行けんやろ。
GM:ちなみに今は夕食時。君らは宿屋の一階で食事をとりながら話している、と。周りにはほとんど客はいないものの、2、3人の行商人らしき人は見かけるよ。
ハス:へぇ、じゃあ話しかけてみるわ。「景気はどうだい?」
GM:「まぁ、ぼちぼちだな。なにせこんな状況だし、なんとかして欲しいもんだよ」
ハス:「俺もそう思うよ。今日この都に来たばかりだけど」
GM:「今日とは珍しいね。よりによって、どうしてこんな時期にやってきたんだい?」
ハス:「いゃ、まぁどうしてもやらなければならない事があるんだ」
GM:「へぇー。あ、そういえば、昨日までここに泊まっていた客も妙な雰囲気だったなぁ……」
ハス:「というと、どんな人?」
GM:「赤い髪の娘と太りぎみの中年男だったよ。親子には見えなかったし、私のようにこの都を出るに出れない行商人、って感じでもなかったなぁ」
ハス:「その人達はどこに行ったか知らないか?」
GM:「さぁ、そこまではわからんよ。捜し人かなにかかい?」
ハス:「いや、いいんだ。ありがとう」
GM:て、ことでどうする?
ハス:この宿屋を燃やす(笑)。で、兵士が何事かと騒いでる間に王城に忍び込む。
ソフィ:だからそれは無駄やって。王城の周りの兵士は特に訓練されてるみたいやったから、ちょっとの騒ぎで動じたりせーへんよ。
シルバート:では間引きましょうか。
ハス:また兵士間引いてくんのか? (編注:act1、b_partを参照)
ソフィ:それで兵士に化けて侵入するって?
コール:行商人に化けるという手もあるよ。
ハス:コール!? おったんか!! 一体いつの間に(笑)。
GM:なんか異臭を放つボロコート一枚という格好で、ニコニコと突っ立ってるわ。
ソフィ:生ゴミの宝庫を見つけて嬉しいんやろな(笑)。
シルバート:行商人のおじさん達に尋ねてみる。「ここには何をしに来たんですか?」
GM:「ちょっと品物を売りに来ただけなんだけどねぇ。いきなりこんな状況になってしまって都を出るに出れないんだ。そりゃ、大陸鉄道を使えばいいんだけど、あれはかなりお金がかかるしね……」やって。まぁ、その他にも色々と都の噂話など聞かせてもらえる。
ハス:ほうほう。
GM:宿屋の客達の話によると、なにやら、ヴァルモンもフィラムもこの旧ユークリード自体にはどうもあまり関心がないらしい。それよりも、この都の中央にある王城に、軍隊を引き連れてまで手に入れたい何かがあるらしいねん。現に都に駐屯している帝国軍兵士が住民に危害を加えてる、という話も聞かないらしい。それと大部分の兵士が王城近くの警備にあたっているということからも、王城にあると言われてる物の重要性が噂されてるそうな。
ハス:となるとやはり、アルテミス狙いか……
GM:それから帝国軍を広く包囲したままのフィラム軍も、すぐに目立った行動を起こさないことから、既に都内部に密偵を送り込んでいるのではないか……なんて事も囁かれている。あと、ヴァルモン、フィラムの他にカーグラートという国もあって、既にそこからも大陸鉄道で密偵を送り込んでいるのではって話もある。都の人々は今のヴァルモン軍に制圧されてることよりも、その後にやってきたフィラムやカーグラートとの争いに巻き込まれることを恐れてるみたい。ま、そんな事を話してるうちにすっかり夜になってしまったけど、今晩はどーする? 宿屋に泊まるんやったら一泊二日で銀貨50枚やで。
ソフィ:そんなお金ないわーっ!
ハス:俺もないわ。また胸から出しとくか。

──ドラエモソのような男である。



 
 
 

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