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■『金の瞳の女神 act4』/03

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■ act 4-3 M'1949/05/03
〜店泥棒〜

GM:風向きによる悪影響もなく、翌日の5月3日の昼前には、小王国群の南に位置するティロート国の、小さな港町ギルス郊外の森の中へ着陸したなこるる壱號。一先ず帝国軍の小型艇の行方とか、大内海の最近の様子とかを確認する為に港町へ繰り出そうと、君らと共に、ヤクルト博士やユティートもロリエスに乗ってついてくるよ。さて、町に着くと、通りはかなりの人で賑わっている。で、君らはその人だかりの中で、特に胡散臭いモノを目撃してしまう。耕耘機に乗った旅芸人や。
ハス:その耕耘機、見たことある?
GM:勿論。コールの運転するロリエスがだんだん近づいて行く。
ハス:旅芸人の顔に見覚えわ(笑)?
GM:ペトルシアのレールスの町にある君らの家、『もしもしチャペル』の家主や。
イルナ:ギャリギャリギャリギャリ、ドカンッ! 「あ、ごめんなさい」
ハス:「イ、イルナさん、お久しぶり」
イルナ:「どなたでしたっけ……あぁ、あのタダ飯喰らいの!」
コール:「こんな通りで話すのもなんですから、何処かの食堂でも行きませんか」
イルナ:じゃ耕耘機リュックに直します。シャキーン。
シルバート:直す、って何処に?
GM:背中に。しまえるらしい。
シルバート:また、わけのわからん設定を……
GM:ま、ええんちゃう。君らも充分わけわからんし。さて、家主と再会した君らは、近くの食堂に立ち寄る。ロリエスはどうする?
コール:うーん、仕方ない。路上駐車。
GM:子供達が「わぁー」「なんだこの車ー」とか言って群がる。
ソフィ:「触るな、ガキ共ぉー!」
ハス:「ウラーッ!!」って蹴散らす。
GM:「わぁーっ! 逃げろーっ!」 散り散りに走って行く。
ソフィ:「FxxK!餓鬼ガァッ!! ファーック!!」
イルナ:「あんたも餓鬼でしょ」
ハス:ロリエスに電撃装置でも仕掛けといてやろーか?
コール:そこまで、せんでも……

 食堂に入った一行は、それぞれ昼食をとりながら、これまでの経緯を語り合う。その中でイルナが、昨日港へやってきた黒船に、見覚えのある帝国軍の蛇の紋章があったことを話す。更に食堂の給仕の話によると、港にやってきた帝国軍は、この国の国王に会見した後、滞りなく当初の目的だった物資の補給を続けているらしい。また、昨日の夕刻頃、一隻の小型飛行艇が、艦隊の旗艦らしき黒船の甲板に着陸するのを見た、という客もいたとのこと。しかし、食餌に夢中の彼らは、帝国軍に好きにされ放題で情けない国王や、ペット持ち込み禁止らしいこの店の外で、車の番をしていて子供達に襲われた(と想像する)シロクロブチの末路等に花を咲かせる。どうやら誰も、話を進める気はないらしい。

ハス:話が逸れ過ぎてる。進めよう。
GM:今はかなりの野次馬が、帝国軍の艦隊を見に港へ押しかけている状態。帝国軍の方は、そんな連中を相手にすることもなく、作業を続けている。
イルナ:その人の多さにメラメラと商人魂が燃えてくる。「ここはやっぱり黒船饅頭か、黒船煎餅で決まりや!」

   (一同爆笑)

ソフィ:「売りに出る、というのでどうかしら?」
ハス:「それはいいかもしれん」
ソフィ:「大丈夫。パテント料は弾んであげるわよ。ホーッホッホッホ!」
ハス:「この餓鬼め! ふん縛ってやろうか?」
イルナ:「近くの饅頭屋を制圧!」

 一時間後、町に三つあった饅頭屋は彼らの手に落ちた。

シルバート:私は参加せーへんぞーっ!
イルナ:「そぉれ、黒船饅頭じゃあ!」
ハス:店に並んでた饅頭にハンコ押して回る。ポムポムポーン!
イルナ:「次、近くの煎餅屋も制圧!」
ソフィ:「Tシャツ屋も制圧! 黒船Tシャツを作るんだっ!」
ハス:出店だして大売り出しやな。「はいはい、みなさん。黒船饅頭に煎餅、Tシャツもあるよーっ!」
GM:何処に作るんや、そんなもん。
ソフィ:やっぱり港の側がいいね。出張店舗を並べて建てる。「はい、いらっしゃいいらっしゃい! そこ押さないで押さないで!」
ハス:「そこの方、一列に並んで押さないで! 皆さん、まだいっぱいあるから!」
ソフィ:「こっち、在庫がなくなったわ!」
ハス:「あと20箱、追加!」
イルナ:ホホホッ、バブルよバブル!
ハス:弾ける前に撤退しなあかんな!
GM:エラい妄想やな。君らほんまにそんなことやってるんか?
ソフィ:当然。
GM:元の店の商品窃盗加工して売ってんの?
ソフィ:当然(笑)。
イルナ:だから制圧、ゆーたやん。
GM:元の店主とか、店員どないすんねん。ブッ殺すんか?
イルナ:まずは奴隷にする。
ソフィ:そして新たな労働力に調教(笑)。「ウラッ!働けーっ!!」
ハス:『黒船』鉢巻きを店員一同頭に巻いて、売り子に精を出す。
GM:よーそこまで考えつくなぁ。まぁ、ええか。えーっと、その日の売上げは……金貨16枚になりました。
ハス:ウヒャーッ!
ソフィ:じゃあ今日の収益金を5で割って…
シルバート:いや、私はそんなアホらしいことせんぞ!
ハス:なら4で割って…
コール:私も手を貸さないぞ!(←借金持ちの浮浪者の発言)
ハス:そうか! じゃ、3で割って…
ソフィ:一人5金貨ね。じゃあ私が残り1枚をもらうとして、6枚よね。
イルナ:何故!?
ハス:それは許さん!
ソフィ:あら、だって出店案は私が考えついたのよ。これくらいのパテント料はもらわないと。
イルナ:あら、実行したのは私ですわよ。バチバチバチィーン!(睨み合いSE)
ソフィ:ゴゴゴゴゴォォォ!(地響きSE)
シルバート:拳銃と暗殺針による一騎打ちか。
ハス:お、俺は離れるぞ! こんな二人の争いに巻き込まれるのはゴメンだっ!
GM:はいはい。港では、やはり普段の穏やかな生活に退屈していたのか、人々が遠巻きながらも、大勢のヴァルモン兵達が荷物を積み込む作業を眺めてる。さて出店を構えて売り子をしていた三人、知覚ロール×2してみて。
ソフィ:失敗。
ハス:失敗。
イルナ:あい、成功。
GM:じゃあ騒いでいたイルナの耳元に、ふと町の人達の会話が飛び込んでくる。「昨日、帝国軍の連中がうちの店に飲みにきたんだ。最初は俺もビビッてたんだけど、そいつらが案外イイ奴らでさ、すっかり話込んじまってね。なんでも奴ら、明日の昼前にここを出航するらしい。おまけに行き先が、あの<血の灯の海>っていうじゃないか。奴ら、あんな場所怖くもねぇって息巻いていたよ。あのグレンデルとかいう黒船と、あん中に積み込んだ最新兵器とやらを随分自慢していたけど、さすがにその辺までは詳しく教えてくれなかったな。しかし自分達からあんな恐ろしい場所へよく行くよなぁ。今まで数え切れないほどの船を、魔物達と赤い雷で沈めてきたって海なのに。一体何を考えているんだか」
イルナ:デビルイヤーひくつかせながら、そのオヤジに近寄る。「おじさん、黒船饅頭いかかですかー」
GM:「おっ、いいねぇ、じゃ、一つ貰おうか」
イルナ:「はぁい、ありがとうございます。あの、ちょっと耳に挟んだんですけど、あの船は、明日ここを出るんですかぁ?」
GM:「どうやら、そうらしいよ」
イルナ:「あ、そうですか」 ニコニコ……チッ、今日中に売りさばいちまわねぇと!
ハス:やってやらぁ!
ソフィ:売りつくしさえすれば、こっちのものよ。
ハス:ハッハッハ。もう雑菌がついてようと、数が足りなくなろうが、知ったこっちゃねぇ! 全力で売りさばく!
GM:……戦艦には興味ないのかね。さて、そうこうするうちに、陽も暮れ始めた。夕日が大内海を赤く染める。
ハス:そろそろ売り切れたかな?
GM:わかったわかった。帝国軍兵士はまだ積込み作業を続けているけど、港の野次馬がそろそろまばらになり始めた頃、君らの出店の店頭在庫は全てなくなりました。
イルナ:「はい。こっちは在庫なくなりましたぁ」
ハス:売り歩きから帰ってきて「完売でーす」
ソフィ:野次馬共に店じまいの挨拶。「お陰様で本日は完売しましたーっ」
GM:堀っ立て小屋はどうすんねん。
ハス:たたんでもええやろ。
GM:今まで君らの奴隷として扱き使っていた店員達の処遇は?
ソフィ:あ、ちょうど金貨一枚余ってたんやね。
イルナ:「君達で分けて」
ハス:チャリーンって、地面に落とす(笑)。
イルナ:「ほーら、お拾いなさい」
GM:わかったわかった。ふぅ。(馬鹿相手に疲れた溜め息)
イルナ:制圧完了。



 
 
 

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