■ act 5-4 M'1949/05/05
〜青き森〜
シルバート:白い布に包まれた棒?
GM:中から取り出されたのは、黒ずんだかなり古い木でできた一本の杖や。
シルバート:あああっ!
ハス:成程。なんとなくわかるぞ。
GM:リアラの話によると、以前、旧ユークリードにロリエスで出かけた時、例の巨大飛行戦艦ゼルディティスの残骸の中で、この魔法使いの杖が、地面に突き刺さっていたとのこと。
ハス:やっぱり!
GM:「これをあなた達に見せるのは、あの二人の死を認めさせるようなものだから、隠しておきたかったんだけど……でもこの杖には未だ強い魔力があるの。きっとあなた達の助けになると思って。ただ、特定の人達にしか使えないみたいで、私には使いこなせなかったの。それで今瞑想中のイルナさんなら、と思って」やって。というわけで、島に上陸するまであと十分程あるけど、あとやっとくこととかは?
一同:……。
GM:特になし? じゃあ、ヤクルト博士がハスを呼んでる。「ハス君、来たまえ」
ハス:はい?
GM:「私が全精力をかけて作り上げた『コウサくんデラックス』の操作説明でもしておこう」
ハス:へい。
GM:「まず、今回のパゥワーアップの第一の特徴は、これだっ!」っと、操縦席の辺りをパンって叩く。
ハス:おおっ!
GM:『蒸気連動システム』と書かれたそこには、リストバンドやヘルメットなどが無数のチューブ類に繋がれてフレームの中に吊り下がっている。なんでも操縦者の脳波や運動に連動して操縦できるそうな。
一同:怪しい!
GM:「第二の特徴はこれだっ!」と博士がブッ叩いたのは耕耘機のいびつに肥大したエンブレム。
ハス:はいーっ(笑)! それは俺がデザインした…
GM:『グレート象さん1000』 「これは吸い込んだものを弾丸として吐きだす力がある。吸い込む時間を増大させるほど、実弾は増大し、結果威力も増すことになるでしょう」
コール:おおーっ。
GM:「そして第三の特徴っ!」と、博士が耕耘機後部の装甲板を外すと、中には奇怪な機械がウジャウジャ組み込まれている。
ハス:「こ、これはーっ!」
GM:導管に埋もれた中央演算装置らしき部分には、『NOVA!』って落書きされている。ヤクルト博士が嬉々として解説する。「ここにあるリミッターをカットすることによって、『コウサくんDX』は一時的に『コウサくんNOVA』となるのダッ!」
(一同爆笑)
イルナ:なったらどないやねん(笑)。
GM:(メカシートを指さして)そこの括弧してある能力が、全部二倍になる。
一同:おおーっ!!
ハス:って、ダメージも装甲も二倍かよ!
ソフィ:装甲なんて、どーやって増えんの(笑)!?
GM:バリアや。ただし、その隅のところに15ポイントって書いてるやろ。NOVA時にはそれが1ラウンドにつき1ずつ減っていく。0になったらコウサくんは完全に動かなくなる。三分弱のパワーアップなんで、これも使いどころを見極めるように。
コール:ほーぉ。
GM:「そして最後はっ!」って、操縦席の底蓋を開けると、そこには金庫が入っている。で、二重三重の鍵を開けまくると、中から見るからに金メッキの巨大なグローブパンチが出てくる。「これがコウサくんNOVAの必殺技。『黄金の左ストレート』ダッ!」
ハス:こ、これは非常用にしか使えない……!
GM:「ハス君。以前、魔法使いのエルバートさんが現れた時、確か君は地下室で狂ったようにデュート=リグ量産機を発進させようとして、あれを壊してしまったことがあったね?」
ハス:「ええ、そのようなことも……」(笑)。
GM:「非常時にあんな気狂いのようになるなんて、君のことは前々からちょっと変だと思っていたが、最近は特に酷いからね。私は科学的にそのことを調べていたんだ。するとどうだい、ハス君。君が以前シルバート君によって注入されたペニニリンと、魔法使いのエルバートさんが出して家を焼いた溶岩の凝固したものとが、見事に急激な化学反応を引き起こし、大爆発が起きたんだ」……君らがいない間に、マッドサイエンテストはこんな実験を嬉々としていたそうな。
ハス:「博士、これ以上、家は壊さないようにしてくださいよ」
GM:「君も見ただろ。『もしもしチャペル』はもう人の棲む場所じゃあない。廃虚さ。おっと、このことは家主のイルナさんには黙っておくんだよ」
ハス:「わかりましたぁっ!!」(笑)。
GM:「話は少しそれてしまったけど、そんなわけでこのコウサくんの黄金の左ストレートには、溶岩粉末と、ペニニリン一瓶が詰め合わされているんだ」
一同:(笑)。
ハス:つまりこの左ストレートを使うってことは、
コール:自爆用か(笑)!
GM:「半径何キロかが、崩壊するだろう」
ソフィ:ま、わかりやすく言えば『死ね』と(笑)。
GM:「そうは言っていない。あくまでも最終手段として頭に留めておけばいいと思ってね」……さて、シルバートの方は何してんの?
シルバート:あの人達は、もういないんだろうか、死んでしまったのだろうか……とか思いつつ杖を眺めとく。
GM:杖を見ていた君は、何か心が沸き立つような感覚を覚える。
シルバート:?……んじゃ、手に持つ。
GM:すると君が杖に手を振れた途端、頭の中に厳かな男の声が響き渡る。『汝、我を継ぎし者の血を引く者よ』
一同:おおーっ!
シルバート:「どういうことですか!?」
GM:『やはり汝は記憶を失っておるようだな。我の記憶によって、汝の望む過去を伝えることもできる。危険を恐れぬ覚悟があるか?』
シルバート:「わかりました。教えてもらいましょう、僕の全てを!」
GM:すると次の瞬間、杖から青い光が放たれ、同時にシルバートは頭が割れるような激痛にも襲われる。
シルバート:ギャーッ!と部屋中のたうち回る。ゴロゴロゴローって(笑)。
GM:後部ハッチでコウサくんの説明を聞いていた人達は、ブリッヂの方から、医者の悲鳴を耳にする。
シルバート:「おヒャーッ!!」(笑)。
ハス:駆けつける。
GM:君らがブリッヂに飛び込むと、シルバートが絶叫しながら部屋中を転げ回っている。その手には、魔法使いの杖が握られている。
ソフィ:また使えもせんのに、そんなん持つから。
コール:「ド、ドクターどうしたんですか、発狂したんですかー!」(笑)。
ハス:狂ってる奴が『発狂してます』なんていうわけないやろ! 「しっかりしてくださいドクターッ!」 バシバシバシッ!(ビンタSE)
GM:逆に杖で張り倒される。
ハス:ギャーッ! こうなったらモンキーレンチ抜いて…(笑)。
GM:逆上したハスブラートフが飛びかかろうとしてる時、シルバートの頭の中では、杖自身の中にあったさまざまな記憶が、激痛と共に勢いよく流れ込んでくる。それによると、シュリーウェバと呼ばれる緑豊かな地方を旅するエルバートとその他数名の怪しげな集団の姿。巨大な黒い龍と戦っているロミリア。その側で虫けらのごとく燃え盛っているエルバート。あとは、森の奥深くの一軒家でエルバートの唱えた呪文が暴発して側にいた赤ん坊の一人が巻き込まれている場面。あと、エルバートとロミリアがその子供を探す旅に出かけたこと等々。走馬灯のように、シルバートの脳裏に流れる。さて、インスタントな修業を終え怪しげな雰囲気を漂わせたイルナとリアラがブリッヂに戻ると、
イルナ:フシューッ!(5話のテープ起しを担当してくれたコール役の熊野による注:おそらくオーラの音)
GM:操縦室の真ん中で大の字になって倒れているシルバートを発見する。リアラか驚いて尋ねる。「シルバートさん、どうしたの? それにその手に持った杖は……」
シルバート:「こ、この杖は……」
GM:名前、なんにしよう?
ハス:何やったっけ? なんか名前あったよな。
GM:まぁ、『エルバートの杖』ということで。
一同:そのままやんけ(笑)!
GM:わかりやすいやろ。ちなみに杖自身は自らを『ユリクスフィナ』と言っていたが、そのことはヤブ医者しか知らない。さて、操縦室に戻ってきたヤクルト博士が、後部ハッチに来なかったシルバートやイルナにも嬉々としてコウサくんの説明を始めてる。「……あ、ハス君。君はデラックスの最終整備点検をしてきてくれないかい?」
ハス:「わかりました!」
GM:ヤル気満々で駆け出してったハスを見届けると、ヤクルト博士は簡単にコウサくんの操縦説明をする。で、「『蒸気連動システム』というものがあるんだが……」……みんな聞いてる(笑)?
ソフィ:はいはい。聞いてまーす。(テ注:かなり疲れ切った声)
GM:「まぁ、コウサくんDXには、ソフィーさんやハス君のリクエストにより、『蒸気連動システム』を搭載したわけなのだが……実はアレ、ハッタリなんだ」(笑)。
(一同爆笑)
イルナ:なんじゃそりゃあ(笑)。
GM:「いくら私が天才科学者だといっても、今の技術であんなもの作れません。まぁ、あんなのは空想科学小説世界の発明ですな。しかし、私としてはハス君には是非、夢溢るる科学者になってほしいですからね。『そんなことは出来ない』とは言えず、とりあえずハリボテをつけてみたんです」
ソフィ:んなもんつけんなよ(笑)。
GM:「というわけで、まったく事情を知らないハス君は、玩具の蒸気連動システムで遊ばせておいて、肝心の操作の方を、はしゃぐハス君の動きに合わせて、補助操縦席でイルナさんあたりに運転してもらいたいんです。
イルナ:サルのお守りか……いいでしょう、任せなさい!
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