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■『ボク、トムキャット』/01

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山田タケシ:皇紀2661年元旦。現在我々は熊野タカノリ邸、ルネッサンスローズガーデンにいる。この薄ら寒い三畳一間のマンションに、野郎5人は集結した。嫌んなるぅ。


AD2001/01/01(MON)09:30
劇団『魑魅魍魎』
ルネッサンスローズガーデンセッション01
『ボク、トムキャット!〜少年と飛行船〜』
ver_0.6

system with
『Gear Antique』(ツクダ・ホビー版)
[Copyright 1992 Tsukuda Hobby,All Rights Reserved.]

◆ CAUTION
本文中、知的障害に関する差別的発言や、やや品性に欠けると思われる点が頻出します。
筆者の意図は、プレイヤーの発言を忠実に表記することにあり、他意はございません。

その点のみ予めご了承の上、お読み頂ければ幸いです。


■ scene 1 M'1950/03/03
〜スズメ亭にて〜

GM(岡本ケンヂ):というわけで始めましょう。マキロニー暦1950年。地方地図は忘れたので各自想像のこと。
リリー=ウォーカー(熊野タカノリ):うん。レールスの町やね。
GM:君らの現在地はちと違う。ペトルシアのレールス=ルーの町ではなくて、フィラム北東のヨルマノックという町。前回は別のキャラやったけど、この町でカーレースをした筈だが。
アレフランド=ブラウン(川崎スミアキ):やったな。
サイクス=アルドリッヒ=ヴァンデンバーグ(山田タケシ):チキチキマシーンもぉれぇすぅー。
アレフ:他人の車盗んだりハンドル獲ったり。
ケント=マウント(大塚ケンジ):レンガも投げつけたな。
GM:といった賑やかな騒ぎもあった町に、現在旅の途中の君達は滞在しています。時はマキロニー暦1950年3月3日。
(サイクス):テロリロテロリロピントトテン♪(テ注:山田タケシがローズガーデンへ来る途中立ち寄ったスーパー、『さわやかジャパソ』で購入した幼児アニメ『おじゃ魔女ドレ三#』のある意味必殺アイテム『リースポロン』(バソダイによる玩具)から発せられた怪音)
アレフ:えげつない音鳴るなぁ。
(サイクス):テロリテロリテロリテロリテロリテロリテロリテロリテテテテン♪(テ注:熊野家の無線マウスから奪った単四電池2本にて軽快に駆動するリースポロン。桃色の円環の中心の握り棒を掴み、勢い良く回転させると二種類の内蔵音が鳴るカラクリ。一同の呆れた眼差しに対し、『対象年齢3才以上』という外箱に記載された表示を誇示、さも自分もその玩具の適格者に含まれているかの如く振る舞う山田タケシ28才オス独身。ちなみに彼の外見は、皮ジャン皮ブーツの黒いヘビメタスタイル。やや無駄肉のついた『マトリクス』を想像すると近いかも。そんな男がピンクのリースポロンである。嫌んなるぅ)
GM:今から丁度六日後にはセンタロ星祭という、祭りがあります。
リリー:うん。
GM:いわゆる土着の祭りで、願い事を星に祈ったり、紙に書いて川に流したりすると叶う、という言い伝えがあります。で、夏も真近な3月3日(編注:この世界は1年6ヶ月です)。ヨルマノックの町は、一週間後に迫ったそのセンタロ星祭の準備で盛り上がってる。で、君達はどうしてるのかな? と言ってもまぁ、どうせ自分らのことも忘れてるやろうから、とりあえず各自自己紹介でもしていって。まずはそこの、立ったまま輪っか振り回してる変質者。
サイクス:オーゥ! スタンディグオベィシャーン! 『立ち居で自慰』!!(編注:『スタンディングオベイション』 通常はクラシックコンサートなどで素晴らしい演奏が行われた際、観客が席を立って拍手喝采、ブラボー三唱すること。リースポロン使いは、これを下品に直訳して大喜びしています)
GM:名前は?
サイクス:オォーゥ! 私の名はサイクス=アルドリッヒ=ヴァンデンバーグ。貴族である。(似非)。
GM:で、そのエセ貴族はヨルマノックの町でどういう暮らしをしてるのかな?
サイクス:私の芸術を更に追求する為に、思う様蒸気シンセを演奏しまくっておりますわ。テロリロテロリロピントトテン♪
GM:わかりました。そちらの人は?
リリー:リリー=ウォーカー、思想家です。
GM:ほぅ、してどのような思想を広めているのですかな?
りりー:頭に蛇を入れています。
GM:それが思想? まぁいいや。で、そっちの人は?
アレフ:アレフランド=ブラウンです。神にお仕えする身であります。……お? こんなところに設定がある。(と、自分が昔キャラシートの裏に記載した文章を発見) 『あなたも釣りをして幸せになりませんか?』という教義らしいわ。
GM:釣り狂か? で、次。ちょっと遠いから大きな声でよろしく。(と部屋の隅、窓際のベットの枕側に凭れている大塚ケンジに声をかける。このローズガーデンセッションは、寒さを凌げる点と予想外の襲撃者を気にしなくて済む点は良好だが、部屋の狭さ故、普通の机の上でプレイできない点が通常の室内セッションより劣っていた。当日は、熊野がセッションの為に用意したとか言っていた町の地図一枚乗せただけで塞がる足の長さだけ妙に長い小型机を中心に、マスターの筆者はベッド足側の縁の木の枠の上に腰かけ、机からは横向きでマスタリング。対面の熊野はダンボールの上に腰かけ、机左手では山田が立ち居でリースポロン。そして机右手のエロ本とCDR等が散乱した通路に足を投げ出しベットの真ん中に腰かける川崎、その向こうの枕の上に座り込んで正月早朝から既に眠たげな大塚、といった各自、実に奇妙な態勢でセッションが行われた。なお、劇団『魑魅魍魎』団長、山田サチヲ(26)は、新世紀の元旦早々診療所出勤にて不参加となった)
ケント:えー、僕の名前はケント=マウント。生まれながらの虚弱体質だけど、今の仕事はビラ配り。
GM:といったところで各自の暮らしぶりなんやけど、似非貴族のサイクスさんは芸術系ですか。
サイクス:うむ。
GM:主な活動場所は?
サイクス:やはり、町中で一番人通りが多そうな……(マップを見ながら)……駅前広場で演奏中。民衆共に私の心打つ演奏を披露している。
GM:了解。リリーは?
リリー:自分の家でコーヒーなど飲みながら、思想に耽ってます。
GM:自分の家なんかあったん? 旅の途中やのに。
リリー:え? なかったん? じゃあ宿屋かなんかで。
GM:駅前広場からそう遠くない場所にスズメ亭という宿屋があるから、そこに滞在していることにしといて。次はアレフかな。
アレフ:私は教義にのっとって、釣りに明け暮れる日々。(マップを見ながら)えーっと、この町を流れる川中にある中洲公園近辺にテントを張って、布教活動も行っています。
GM:自給自足の生活か。で、最後のケントは?
ケント:「安いよ安いよ! 今日はこのスーパーが安いよ!」などと叫びながらビラ配りに明け暮れている。「是非御来店下さーい!」
GM:では駅前広場で紙を撒き散らしていることにしよう。さて、その大陸鉄道ヨルマノック駅のある、町の北部の駅前広場から中央通りを通って南の噴水広場まで、星祭りへ向けて様々な出店が準備されている。金物屋、洋品屋、薬屋、服屋、菓子屋、食物屋、時計屋、布屋、履物屋、帽子屋、瀬戸物屋、本屋、楽器屋、見世物小屋、機巧屋、骨董品屋、星飴屋、蒸気風呂屋等、色々あります。で、そのような祭り気分の駅前広場では、頭のネジが飛んだような似非貴族が大道芸人よろしく演奏中。で、その近くで虚弱体質の労働者がビラ配り。広場の南西にある中洲公園では、釣り坊主が通行人に釣りを奨め、スズメ亭では蛇入り帽子を被った思想家が半眼で思索を深めている、というわけですな。さて、3月3日の各自の具体的な行動は、ないですか?
四人:……。
GM:では進めましょう。さて、その夜。そろそろ夕飯時ですが、アレフはどうする? ここ一週間、魚は釣れてた方やけど、さすがに毎日魚料理というのも、ちょっと飽きてきた頃。
アレフ:では今夜は知り合いのリリーさんのいるスズメ亭にでも足を運んでみることにしようか。
GM:残りの三人は、皆、スズメ亭に滞在しているということで、以下略。では夕食の席で頭を突き合わせた君ら四人。これからの旅の計画とかはないのですかな?
ケント:はぁー、今日も一日、くたびれたなぁ。
GM:あぁ、ビラ配りか。ちょっと力ロール×1してみてや。
ケント:(ガシャン)……41、失敗。
GM:では昼間の仕事中、広場の水溜まりに足を滑らせて転倒。ビラを泥水でダメにしてしまう。依頼人からはこっぴどく叱られ、給料は半額にされた。(ガシャン)……銀貨30枚。
アレフ:それじゃあ、まともな飯も喰えんな。
GM:いや、一泊ぐらいならできるやろ。ケントはそんな自分の失敗談を夕食の席で皆にブチ撒けてるわ。
ケント:「もぅ親方にも叱られちまって。僕はもぅダメなんだ」
リリー:「最近は不景気ですからねぇ。少しの失敗でくよくよしていてはいけません。ケントさんもがんばって下さい」
ケント:「いや、僕はもぉダメなんだ」
アレフ:「何を弱気なことを言っているのです。さぁ、君も気晴らしに釣竿を持ってご覧なさい。楽しいですよ」
GM:サイクスは、ケントの昼間の失態を目の当りにしてる一人やけど。
サイクス:むぅ、やはり努力しても報われないこともあるのだなぁ、などと思っている。
GM:さて、その宿屋スズメ亭やけど、宿屋のおかみはリサ=アンドラと言います。で、彼女の息子にトラル=アンドラという少年、娘にナティ=アンドラという少女がいます。この宿屋に滞在する内に、彼らとも親しくなっていた君ら。そのトラル少年が君達の所に駆け寄ってくる。「ねぇ、リリー姉ちゃん。センタロ星祭りまで、ここにいるんだろ?」やって。
リリー:「ええ。これからの旅の予定も特にないから、お祭りも見ていこうかしら」
GM:「それがいいよ。ここの星祭りは楽しいよ」
リリー:「へぇ、星祭りってどんなことがあるの?」
GM:「うん。願い事を星に祈ったり、紙に書いて流したりすると叶うんだ。でも僕らはやっぱり町の通りに立ち並ぶ出店が楽しみかな。他の国からもやってくる人達が色んなお店を出すんだ。星祭りまでにやってるお店もあるから、お姉ちゃん達も見に行くといいよ」と、楽しげに話す少年。その隣でナティという少女が、熊の縫いぐるみを抱き抱えながらうんうんと相づちを打っている。すると厨房の方から、おかみのリサがフライパンなどを叩きながら、「ほら、あんた達。もう部屋に戻りなさい」と、子供達をせき立てている。
ケント:はぁ、誰か僕を雇ってくれないかなぁ。
GM:おかみさんに持ちかけるんか?
ケント:いや、町の屋台の方を明日からあたってみようかな、と。



 
 
 

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