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■『ボク、トムキャット』/02

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■ scene 2 M'1950/03/04
〜重量上げ〜

GM:ふむ。では翌日。3月4日の各自の行動は? まず、サイクス卿。
サイクス:それだけ多くの人々が集まってくるということは、私の芸術活動も余すところなく聞かせることができるだろう。
GM:じゃあ一回、判定でもやってみる? リリーは?
リリー:ではお祭りの下準備などを見て回ります。
GM:アレフは?
アレフ:人も集まっているということで、一大布教活動を駅前広場で。
GM:駅前広場にはもう変人揃いやから、アピールは難しいかもしれんよ。
アレフ:では南の噴水広場で釣りの勧誘をしましょう。
GM:ケントは?
ケント:広場で建設中の屋台を一軒一軒回りながら、「誰か僕を雇って下さい」と言って回る。
GM:了解。ではまずサイクスの演奏判定。なにか技能持ってるかな?
サイクス:うむ。<蒸気シンセ Lv2>があるよ。
GM:まぁ、人も多いし皆が物珍しげに見ているので、操作ロール×2でどうぞ。
サイクス:技能を合わせると×4判定になるわ。(ガシャン)……(ガシャン)……(ガシャン)、三回目で成功。
GM:パラリラパラリラという怪音が昼下がりの駅前広場に木霊する。やじ馬達が何の騒ぎかと集まってくる。
サイクス:蒸気をブフーっと噴き出しながら、一心不乱に演奏中。
GM:顔面に銀貨50枚が投げつけられる。
サイクス:グハッ! 庶民共めぇ……金はもらっとくがな。
GM:顔面に当たった後、地面に撒き散らされた銀貨をあくせくかき集めてるサイクス卿を、リリーは目の当りにしていたが。
リリー:……。
GM:では噴水広場の布教活動の方は?
アレフ:「あなたも釣りに耽って幸せになりましょう」と伝導中。
GM:交渉ロール×1。技能は持ってなかったよな。
アレフ:うん。(ガシャン)……19、成功。皆さん聞き入ってくれてるようや。「さぁ、どうでしょう? のんびり釣りをすることによって、心に安らぎを得ることができるのです!」
GM:すると通りすがりの大男が「それはいい、僕にも釣りを教えてくれよ」などと、もっそりした口調でアレフに近づいてくる。しかし、その傍らにいた小男が「おいニッチ、何言ってるんだ。俺達はこんなところで油を売っている暇なんてないだろ」と大男を急き立てながら、結局北の中央通りへ行ってしまう。しかし彼ら以外にも、何人かがアレフの教義に共感を覚えて聞き入ってくれる。特に熱心な信者の数は、(ガシャン)……3人。「僕も弟子にして下さい」「私も弟子にして下さい」と、大人気や。
アレフ:「わかりました。では皆さん、私についていらっしゃい」と、最近根城にしている中洲公園へ彼らを誘う。
GM:次はケントかな。
ケント:屋台を立てている場所へ近寄って声をかけてみよう。「僕もそこで働かせてもらえませんか」
GM:駅前広場周辺にも随分色々な屋台があるわな。中でも特に風変わりな形のテントが目につく。どうやら骨董品屋みたいやけど。店先に立っていたチョビ髭生やした男が広場をうろついていたケントに声をかける。「おや、兄ちゃん。うちの品物でも買っていってくれるのかい?」
ケント:「僕を働かせて下さい」
GM:「ほぉ、して君は一体何ができるのかね?」
ケント:「ビラが配れます」
GM:「それは誰でもできるのではないかい? それとも君には何か特別なビラの配り方でも習得しておるのかね? それがもしおもしろそうなものなら、うちでも雇ってやらぬでもないがな。ホッホッホ」
ケント:「……出直してきます」 何処か他の店で屋台とか組んでない?
GM:そやね。今朝、西方からやってきてこの町に到着したらしい瀬戸物屋が、ちょうど出店の支柱となる丸太を組んでたところやけど。
ケント:ではそこへ行ってみよう。「僕も店作りを手伝わせて下さい」
GM:丸太を運んでいた親父が、胡散臭そうに言う。「兄ちゃんがやるのかい? そんな棒切れみたいな体で?」
ケント:「任せて下さい」
GM:交渉ロール×1/2。
ケント:(ガシャン)……99。
(アレフ):全然あかんやん。
GM:じゃあ親父が担いでいた丸太を地面に置いて言う。「じゃあとりあえず、こいつを持ち上げてみな」 で、ケントは喜び勇んでその棒切れに飛びつくんやけど、中腰まで持ち上げた途端、
ケント:「アッ!」
GM:短い悲鳴と共に、変な音を腰から鳴らして転倒。
ケント:丸太の下敷きになる。
GM:「おいおい、大丈夫か!? 医者だ! 医者を呼んでくれ!」と駅前広場の一角はちょっとした騒ぎになる。ところがどうしたことか、医者は一行に呼ばれる気配はない。多くの町人達は、丸太の下敷きになったケントの方を見ていない。「なんだなんだ、あれは!?」と、北の空を見上げている。
四人:……?
GM:飛行船ですな。この町を目指しているらしい。全員、屋外に出てるんやったな。知覚ロール×2してみて。
リリー:32、成功。
アレフ:82、04、成功。
サイクス:成功。
ケント:丸太の下敷きで失敗。
GM:機械に詳しい人はおる?
サイクス:<三級技術資格>持ってる。
アレフ:私は<四級技術資格>。
GM:では二人は、その飛行船の方向舵(ラダー)と飛行船下部のゴンドラ後部のあたりから煙がたな引いているのがわかる。飛行船は、やや覚束無い様子で、町の上空に入った後、駅前広場の西にあるエスパーニャ大学の敷地内に不時着した模様。広場の人々は「うわぁ、見に行こうっ!」などと口々に叫びながら駆け出し始める。
ケント:おわっ!踏まないでくれーっ!
GM:リリーと、サイクスは、慌ただしい人込みの中、グエッ!、ゴハッ!などという、踏み潰されたカエルみたいな呻きを微かに耳にする。
サイクス:むぅ。とりあえず、ケント青年でも助けるか。
リリー:そうですね。
ケント:ありがとう。
GM:ではケントの下敷きになった丸太の両端を二人がそれぞれ持ち上げる、ということで判定してみよう。人込みの中での救助作業ということで、力ロール×1。それぞれ振ってみて。
リリー:私、<重量上げ Lv1>技能があるのですが……
(アレフ):なら、×2判定や。
リリー:(ガシャン)……30、成功。
サイクス:私も成功。
GM:では二人とも成功ということで、ケントは丸太の下より救出される。人込みの中、バーベル選手のように軽々と丸太を持ち上げた二人を見て、瀬戸物屋の親父が声をかける。「見事だ! 実に見事な丸太さばき! 兄ちゃんに姉ちゃん、うちでしばらく働いてみないか?」
サイクス:「私はこのような肉体労働はしない主義なのだが」
GM:「いや、あんな見事な丸太上げはタダ者ではできまい。兄ちゃん、昔何かやっていたのではないのか?」
サイクス:「いや、特に……」
GM:「なぁ、今日一日だけでもいいんだ。うちの屋台を組んでくれるだけで、給料はたっぷりはずむよ。頼む、うちに来てくれ! 君の力が欲しいんだ!」
四人:『ヲマエガ欲シイ!!』(笑)。(編注:近年の劇団流行語の一つ。イカれた外人調に発音すべし。元ネタは某幻博6号付属のクーポン券によりゲットすることができる、と囁かれている幻の山田タケシ情熱個人誌、C・C・さくらポエム集『知世命』より。山田タケシの魂を震撼させる激白が12pに渡り吐露され続けるあんまりなコピー本。表紙カラー。挿絵アリ)
GM:「そちらのお嬢さんも手伝ってくれないか。二人が来てくれると、仕事がはかどるんだがなぁ」
リリー:「いや、私よりも、ここで下敷きになっている彼を雇っては貰えないでしょうか?」
GM:「こりゃ駄目だろう。見るからに弱々しいし、丸太に押し潰されてピクリとも動かねぇときたもんだ」
ケント:ううっ。
GM:一方、中洲公園からも飛行船は目撃されたようで、早速釣りに取り組んでいた人達がアレフに言う。「あれは、飛行船ですね! 大学の方に着陸したみたいですよ。行ってみませんか?」
アレフ:「うむ、何やら煙を吹いていたようだし、困った人々を助けるのも、我々の教義の一つだ。行ってみよう」と、弟子達を引き連れて大学へ向かおう。
GM:駅前広場。結局、サイクスとリリーは屋台組立ての仕事は引き受ける?
サイクス:……仕方ない。では取り合えず親方の仕事を私が引き受けることにして、ケント君には、私の小間使いでもしてもらうことにしよう。
ケント:ありがとう! 仕事さえくれるのなら、僕はあなたにどこまでもついていきます!
リリー:じゃあ、私達も飛行船を見に行ってみましょうか。



 
 
 

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