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■『ボク、トムキャット』/04

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■ scene 4 M'1950/03/04
〜退行〜

GM:ではスズメ亭で君達が夕食をとっていると、入口で客達が少しどよめく。昼間見たロカルド船長やね。彼は気さくに客達と同じ席につくと、世界各地の冒険譚をおもしろおかしく話し始める。
ケント:おおっ、僕も近くで聞いてこよう。客達の輪の中に飛び込む。
GM:ケントは目をキラキラさせて、盛り上がっている食堂の一角へ駆けて行った。
アレフ:なにやらおもしろそうな話が聞けそうだ、我々も行ってみましょう。
リリー:そうね。テクテクテク。(テ注:歩行Sound Effect。以下SE)
サイクス:うむ。
GM:「おおっ、みんな私の大冒険に興味を持ってくれるとは、うれしいねぇ」 大勢の野次馬に気を良くしたロカルドは、ジョッキ片手に更に饒舌になる。
「北のクーレンルートでは大鉄橋を巡る戦い。ヴァルモン軍ともやりあったし、吹雪に閉ざされた雪の都にも行った。灰と煙りまみれの鉄の山から、とんでもない悪魔が眠る汚染地区。マキロニー一豊かなフィラム。科学者だらけのペトルシアに、南のアガリア。しかしまだまだ見たことも聞いたこともない世界が私を呼んでいる! 諸君! 世界は冒険で満ち溢れているのだ!」
周りの客も、酒が回ってきたこともあってか、随分盛り上がっている。さて、知覚ロール×1してくれるかな。
リリー:はい。(ガシャン)……あ、失敗。
サイクス:58、失敗。
アレフ:51、失敗。
ケント:……お、成功や。
GM:するとケントだけが気づく。船長の話に随分聞き入っている、君達の側にいたトラルやナティ、そしてその周りの店の客達といった人々の輪から少し離れた場所に、一人の女性がいまして……
(サイクス):テロリロテロリロピントトテン♪
GM:……彼女が町長の娘、ユージアという娘さんであることに。まぁ、失敗した他の三人も、この町にかれこれ数週間滞在してるということで、彼女のことは少し聞き知っていたわけやけど、船長の話に夢中で本人がその場にいることまではわからない。彼女も船長の話に興味津々な感じですな。
ケント:おおっ、あんな娘さんにまで、船長の冒険の凄さが伝わるんだ。
GM:さて、夕食後は、各自、何かする? リリーはもう二階に上がって寝る?
リリー:まぁ、せっかくですから、夜の散歩にでも出かけてみましょう。
サイクス:では私も。こんな夜更けに女性を一人で出かけさせるのもなんですから。
リリー:ありがとう。
GM:アレフは中洲公園の青テントに帰るん?
アレフ:これからが釣りのポイントとなる時間だからな。
GM:ケントもこのスズメ亭に泊まってたみたいやけど、リリー達についていく?
ケント:いや、船長の話にすっかり夢中になってしまったので、また飛行船を見に行こう!、と夜の闇の中に飛び出す。
GM:じゃあ各自知覚ロール。駆け出したケントは1倍。リリーとサイクスは2倍。アレフも2倍で。
リリー:(ガシャン)……04、成功。
サイクス:二回目、(ガシャン)……20、成功。
アレフ:失敗です。
GM:ではケントは、飛行船のあるエスパーニャ大学目がけて走っている途中、視界の隅、裏路地の暗がりに何やら光るものをちらほら、見かける。
ケント:気にせずGO! 判定失敗してたし。
GM:あ、そうなん。ではアレフも夜釣りの最中、川もにチラチラと妙な光を見たような、頭の後ろの町の方では何かが走り回るような音を聞いたような、少々落ち着きのない妙な夜になってしまい、あまり釣りに集中できない。
アレフ:何やら騒がしいな。
GM:で、判定に成功したリリーとサイクス。夜更けの町中で食後の散歩していると、前方から、酔っぱらいの親父などが、ふらふらとやってくる。さすがに祭りの前だけあって、浮かれて出歩いてる人も多いみたい。
リリー:その酔っぱらいの人は、見覚えのある人ですか?
GM:いや、全然。で、そんな酔いどれを眺めているリリーの耳に、ガシャンガシャンという、音が脇の路地裏の方から響いてくる。
リリー:「なにか、不思議な音が聞こえませんか、サイクスさん?」
サイクス:「随分とメカニカルな作動音のように聞こえましたが」
リリー:「ちょっと、覗いてみましょう」 チラ。(テ注:ピーピングSE)
GM:するとリリーは、路地の奥の闇の中で、何やら黒い大きな影が、ゆらりと横切ったのを目撃する。
サイクス:でかい?
GM:君よりは。
リリー:「サイクスさん、あの路地の中に何かいるようです。ちょっと見てきてくれませんか?」
サイクス:「わかりました。行ってみましょう」
GM:すると、表通りから横道に入りかけたサイクスの目の前を、ふわりと、ぼんやりとした光が漂うように横切った。知覚ロール×1してみて。
サイクス:失敗。
GM:突然のことだったので、驚いて腰を抜かしてしまう。で、表通りに尻もちをついたサイクスの横を通り過ぎようとした酔いどれ親父の更に向こうの路地裏から、別の物音が聞こえる。今度は「こっちだ! ここにいたぞっ!」という叫びと共に、数発の銃声が響き渡る。リリーはどうする?
リリー:とりあえずサイクスさんを助け起こしに行きます。で、ここは何やら騒がしいので、どこかで休める場所があるといいのですが。
GM:と、なるとスズメ亭に帰るより、一旦西の川辺へ出て、南の中洲公園まで行った方が、ここからは近いし、アレフのテントもあるから落ち着けると思うけど。
リリー:じゃあ、そこまでサイクスさんを連れて行きます。
GM:ではアレフが、あまり集中できず悶々としながら夜釣りをしていると、上流の川辺沿いに、大の字に倒れたサイクスの両足を引きずりながら、怪力リリーがやってくるのを目撃する。
アレフ:突き出た岩に頭ぶつけながらやな(笑)。(編注:2000年の花見セッションで、似たような状況があったりします)
GM:その度に「アッ!」「アアッ!」「ヒカリガー!」などと、妙な言葉を口走っているのも聞こえてくる。
アレフ:「これはこれはリリーさん。こんな夜更けに、一体どうされたのですか?」
リリー:「ええ、ちょっと。それよりアレフさん、なにかこちらで怪しい現象などは、見かけませんでしたか?」
アレフ:「そういえば今宵は、随分と騒がしいようですね。私もちらほら妙なものを見かけているように思えるのですが」 一番怪しい現象は、今ここで見てますが(笑)。
サイクス:「……オオッ! アアッ! ヒッ、ヒカリガァーッ! ヒキャリガァーッ! キャレラガーッ! アァーッ! キャモーン」
アレフ:「これ、しっかりしなさい!」 パンパンパーン!(テ注:平手打ちSE)
GM:操作ロール×1。力の方がいい?
アレフ:いや、操作で、(ガシャン)……お、09、成功。
GM:ムクリとサイクスの上半身を抱き起こしたアレフは、エセ貴族の阿呆顔に、素早く的確な往復ビンタをお見舞する。すると、サイクスの眼球の焦点が定まる。
アレフ:「これ、しっかりなされい」
サイクス:「……ポクは見たんだ! ホントに見たんだ! 信じてくれよオヂちゃーん!」
リリー:あかん、また幼児化が始まってる(笑)。(編注:興味のある方は、某幻博6号収録、暗闇セッションを参照され驚かれたし)
GM:さて、夜の大学敷地内に入り込んだケント青年。ロカルド船長の飛行船の元へやってきた。と、後方ドッグの辺りで、夜の闇に紛れて何やら黒い影がもぞもぞと動いているのを目撃する。
ケント:ドッグが開いてんねんな。よし、中を覗いてみよう。
GM:うれしそうに飛行船に駆け寄ってきたケントに気づいてか、その黒い影は飛行船から離れて行くけど。
ケント:ドッグの中には、何か動く気配はない?
GM:ああ、ないよ。
ケント:よし、じゃあ乗り込んでみよう。見学だ。
GM:では後方ドッグから乗り込んで、奥の通路に入ろうとしたケントの背中で、明かりが照らされる。「おい、誰かいるのか!?」
ケント:横の通路に跳びのく。片隅へ。
(リリー):(笑)。
GM:片隅、って言われてもなぁ。
ケント:通路の隅にへばりつくように、伏せる。
GM:じゃあ運動ロール×1してみて。
ケント:(ガシャン)……74、失敗。
(サイクス):「なんだこいつわ!」(笑)。
(アレフ):通路の隅から、首根っこ捕まれて毟り取られるねんな。
GM:顔面にランタンを押しつけられ詰問される。「一体何をしているんだ!」
ケント:「け、見学をしていただけなんだっ!」
GM:しばらく問いつめた後、その見回りの船員は、この小心者の話をとりあえず信用してくれる。「こんな時間にやってきても泥棒と間違われるだけだぞ」 ポイッと船外へ放り出される。
ケント:「もぉちょっと見させてー」
GM:「駄目だ駄目だ。次来たら警察に突き出すぞ」 船員から説教された後、追い返される。さて、ケントがとぼとぼと川沿いを歩いていると、前方に見えてきた中洲公園で、パンパン!という激しい音と共に、二人の男が絡み合ってる現場に遭遇する。
アレフ:またやんの(笑)? 「これっ! 目を覚まさんか!」
サイクス:「オヂちゃーん! ボクホントに見たんダーッ! 信じてヨーッ!」
ケント:「あ、これは釣り教主さんに屋台作りの親方さん、どうしました?」
GM:なんかよそよそしい呼び方やけど、君ら前から顔見知りやん。
サイクス:「ボクはホントに見たんダーッ! 信じてヨーッ! ケント君!」
アレフ:「少し恐ろしい目にあったらしく、なかなか正気に戻らないのだよ」
サイクス:「光る物体が、ポクの目の前を横切って! するとポクの気が遠くなって! 見たんダァァァァーッ!」
ケント:「ああ、それなら僕も見たよ」
GM:やって。アレフも少しはサイクスの言葉を信じる気になってくる。
サイクス:「そして気がついたボクは、知らない場所でベットに寝かされていて……」
リリー:あかん、どんどんイッてるわ(笑)。
アレフ:「ほぉほぉ、それで?」
サイクス:「ボクの隣には、大きな目をした小さな人が立っていたんDA!」
GM:瞬きせず見開かれた目の焦点は定まったまま、幼児口調で妄想をまくし立て続けるサイクス。リリーはいいのかい? 君の全然知らない話を展開しているが。
リリー:そうですね。今日はこれくらいにして、家に帰って休ませましょう。
アレフ:相当疲れているようですね。私も運ぶのを手伝いましょう。これ、じっとしなさい。
サイクス:「灰色で小柄な人達がボクを! ポクゥヲヲヲーッ!!」



 
 
 

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