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■『ボク、トムキャット』/12

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■ scene 12 M'1950/03/04
〜状況整理〜

GM:そして誰も帰ってこなかった。さて、翌日。怪我人の体力回復をしておこう。(ガシャン)……アレフは8、サイクスは……10、回復して。で、釣り坊主が気持ち良く目覚めると、その部屋には、すぐ傍らで縛られて眠っているエセ貴族以外、誰もいないことに気づく。
アレフ:ややっ!? 皆、何処へ行ったんだ?
GM:その時、トントンと、部屋の扉をノックする音が響く。
アレフ:「はい」 ガチャリ。
GM:君の腹の辺りの高さから、宿屋のおかみの娘、ナティが見上げている。「おぢちゃん。お兄ちゃんは帰ってきた?」
アレフ:「それが、まだ帰ってこないんだ。ごめんね」
GM:「ううん……あとね、私のクマちゃんもいなくなったの」と言われる。どうやらナティが大事にしていたクマのぬいぐるみまでなくなったらしい。
アレフ:「ふむ。じゃあそのクマさんも一緒に捜してあげよう。見つかったら教えてあげるよ」
GM:「うん。約束だよ。お兄ちゃんも連れてきてね」と、ナティは階段を駆け降りていく。
アレフ:では、まず宿の表に出てみよう。道端に二人程、行き倒れはおるんかな?
GM:いや、自力で帰ってこれたのは、怪力リリーだけで、虚弱ケントは見つからない。
アレフ:ひとまずリリーを回収。
リリー:「あぁ、アレフさん」
アレフ:「少々無理をし過ぎたようですな。こんなところで寝ていると、風邪をひきますよ。しばらく宿で休んだ方がいいのでは?」
リリー:「あ、ありがとうございます」
アレフ:とりあえずリリーを担いでいって、サイクス卿の隣にピタッと(笑)。
リリー:ひぃっ(笑)。
GM:サイクスはもう目覚めているらしく、目をキラキラさせて君の方を見ている。(サイクスに)なんかする?
サイクス:でも拘束具に猿ぐつわやろ。
GM:ガイキチパワーで暴れればなんとかなるんとちゃう?
アレフ:まぁ、二人を安静にしておいて、私は外へ出よう。
GM:さて、その頃ケントは目覚めた?
ケント:目覚めた。
GM:すると君は、見覚えのない路地裏に転がっている自分に気づく。
ケント:「一体、僕はどうしたんだろう……」
GM:そろそろ昼前で、町は祭りの準備に活気づいている。その細路地の先の大通りでは、人の往来もかなりある。
ケント:「確か昨晩、ここで例の精霊を見たんだ。僕の頭と、サイクスの頭の上で。……すると、ひょっとして、妖精エンジンはこの近くにある、ということなのかな……」
アレフ:「どうやらそのようですな」
GM:路地裏の暗がりから、ぬるりと現れたアレフが相づちをうつ。
(リリー):突然話に割り込んでる(笑)。
アレフ:「やぁ、ケント君。こんなところにいましたか。随分探しましたよ。<匣>探しの件でも、随分色んなことがわかってきたようですし、一旦宿屋に帰って、状況を整理してみましょう」
ケント:「そうですね」

GM:一方スズメ亭の二人は、おとなしく寝てるん?
サイクス:拘束具を引きちぎらんばかりに、全身を芋蟲のように扇動させてる。
リリー:怪しい(笑)。
GM:『アマゾン』するんやったら、力ロール×1。
サイクス:いや、引きちぎらずに、単に芋蟲のように体をくねらせて、部屋中を這いずり回る。
リリー:余計、怪しいやん。
GM:宿に帰ったアレフとケントが扉を開くと、何やら怪しい光景が広がっている。
アレフ:ちょっと膀胱の縮む思いをしながら、サイクスの口の拘束具を取り外してみましょう。「これ、サイクスさん。トイレですか?」
サイクス:「ボクハダイジョウブデス。ボクハダイジョウブデス。ボクハダイジョウブデス。ボクハダイジョウブデス。ボクハダイジョウブデス。ボクハダイジョウブ」
アレフ:カパリコ。また口塞ぐ。リリーさんにケント君。とりあえず状況整理でもしておきますか。えーっと、まず、
ケント:ロカルド船長の冒険の戦利品の中から盗まれたのが、妖精エンジンとかいう代物で、
GM:<リリパトの匣>ともいう。
ケント:それを使うと、エルモ精霊とかいう光が現れ吸い寄せられる。
アレフ:うむ。
ケント:我々がそれを目撃したのが、昨夜と、その前の夜。
アレフ:場所は……宿屋の近く?
GM:そやね。一回目、サイクスがクルクルパーになったのが、駅前広場を南下した辺り。で、昨日のが宿屋の近く。まぁ、二つとも駅前広場付近とも呼べる範囲ですな。
ケント:更に、町中で光の目撃が噂されている、と。
GM:噂には、その発光体騒ぎの他にも、珍品盗難事件に関するものも多いよ。
リリー:あと、二人組の黒服の男が、「どうする? このまま帝国に帰っることなど、できないぞ」「まずいな」などと、言ってたこと。それから、ロカルド船長もずっと箱の捜索をしていたけど、見つからなかったこともあります。あとは、
GM:サイクスはなんかある?
サイクス:トムの頭が。
一同:(笑)。
アレフ:儂の人力飛行機のゾウさんからも、頭むしり取られたよな。
ケント:宿屋の娘のクマのぬいぐるみも無くなったっんやろ?
アレフ:あぁ。それと宿屋の少年も帰ってこない。
GM:作り物の猫や象の頭なんぞより、それを先に言うべきやと思う。人の命なんやし。
サイクス:いや、トムは小型推進爆弾やん。
GM:往診にやってきていたヤギ先生が怒鳴る。「全く、君達は人の命をなんだと思っているんだ!」
アレフ:「いえいえ、ヤギ先生。これは各自の報告に過ぎません。どうぞ気を静めて落ち着いて下さい」

GM:さて、状況も一通り出そろったことやし、これからの行動を纏めてみて。今日は3月7日。星祭前日です。
アレフ:結局、町中でも色んな物が盗まれ続け、その中にこの町にやってきたロカルド船長の<リリパトの匣>もあった、と。
ケント:で、何故か駅前広場の骨董品屋の品揃えが増えている。
アレフ:更に、その<リリパトの匣>に引き寄せられるように現れるという、エルモ精霊の目撃場所をまとめてみると、その範囲内にある駅前広場がますます怪しくなる。
GM:朝食の席で君らがそんな話をしていると、皿を運んでいたリサが思い出したように言う。
「そういえば、トラルも毎日、あの広場でやっていた映写会に行っていたねぇ」
アレフ:おお、そういや、あの映写機にもなにか妙なところがあったような。
リリー:とりあえず、今日はみんなで駅前広場に行ってみましょう。
アレフ:うむ。正面から攻めてうまくいくかどうかは怪しいけど、GO。
GM:GOは結構やけど、サイクス本人はどうしたいん?
サイクス:芋蟲のように振動する。
ケント:どうやら、彼も出かけたいらしい。
アレフ:じゃあ、手だけ縛る半拘束状態にして連れていこう。自分で歩いてもらわなしんどいし。
リリー:でも、手縛って外出たら、ますます怪しいよ。連行してるみたいで。
アレフ:じゃあ、手の縄も解く。俺しらんぞ(笑)。
GM:さて、アレフが全ての縛めを解いたけど……暴れる?
サイクス:いや、普通に歩く。
リリー:これはこれで怪しい(笑)。



 
 
 

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