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■『ハウゼム、閉じた物語』/01

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AD2003/10/12(SUN)13:40
サークルFIN 2003年10月例会 中編

『ハウゼム、閉じた物語』
ver_0.61

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『Far Roads to Lord』
[Copyright 1993 遊演体,All Rights Reserved.]



■登場人物紹介


■ scene 01
〜『笑う子豚』亭で、語り部と出会う〜

GM:では二話目を始めまーす。
ラング:はーい。
シアン:1D6振るんですか?
GM:?……あぁ、技能レベルアップのこと?
スカイニット:2D10で技能レベル以上が出たら、1D3上げることが出来ます。どれか一つだけ。(編注:一話目終了後、休憩とレベルアップを行っていました。水を差すというかなんというか、魔法を使う時同様、1テンポずれて質問してくるシアンさん(笑)。と、隣の席の彼女にマスターの代わりに解説してくれるスカイニットさん。サブマスター状態です)
シアン:技能レベル以上出たらいいんですか?
スカイニット:まず、振りますよねー……で、上げるつもりの技能はこれですか?
シアン:はい……

 ……しばらくお待ち下さい……ってか、レベルアップ作業再発により、記録テープも止まっていました(笑)。

GM:さて、『笑う子豚』亭では宴会が続いております。
ラング:はいはい。
GM:シアンもここにいてますが、また寝てるん?
シアン:はい。移動に疲れてそろそろウトウト(笑)。
GM:クコは? また厨房?
クコ:当然(笑)。町中の厨房を勝手に渡り歩いている。
シアン:あぁー。でも寝床は『幸運の風』亭なんで、ここじゃちゃんと寝れない。
スカイニット:大丈夫。宴会終わったら持ってってくれるって。ラングが。
ラング:背負ってきます。
スカイニット:で、目覚めたらベッド。
シアン:あ、なるほど。
GM:さてクコさん。今日のメニューは?
クコ:今日は……川魚を捕ってきたので、それをメインに。
GM:なるほど。演奏隊の方は?
スカイニット:やりますよ。がんばってエウヴァさんに追いつけるように。
GM:あぁ、ここの看板歌姫か。彼女は今日ものどの調子が悪いみたいで休んでるから、結構君らの独壇場かもしれない。ラウムの森での騒動でも即興で歌にする?
ラング:いいね。<物語>と<詩歌>もあるから。
GM:じゃあ両方足してロールしてくれていいよ。演奏の方は?
スカイニット:こっちは普通に。トトに自動演奏させながら、アコーディオンを弾く。
ラング:即興やし、感覚でいいんやね。(ガシャン)……えー、22。
スカイニット:32。
GM:ではそれぞれ1D6と1D10銀貨ずつの演奏をしたことになるけど。まぁ、お金はまとめて割り勘するのがええんとちゃう?
スカイニット:(ガシャン)……すいません、3枚でした。
ラング:あ、6出た。じゃあ5枚と4枚ってことで。
スカイニット:最近、いい稼ぎだねぇ。
GM:とホクホクしながらテーブルに戻ってくると、
クコ:魚料理が完成。
シアン:寝ながら食べてます(笑)。
スカイニット:では例によって今日の上がりから銀貨2枚ほどをクコに払おう。
ラング:そやね。
GM:そんな感じで賑やかに食事をとっていると、「いやぁ、いい歌だったな」と、パチパチと拍手しながら一人の男が近づいてくる。赤い鍔なしの帽子をかぶった青白い顔の男。なにやら不思議な雰囲気を漂わせている。「ここに座ってもいいか?」
ラング:「えぇ、どうぞどうぞ」
GM:「さっきのあんた達の歌。ずいぶん真に迫ってたな。あれは、あんた達が実際に見聞きしてきたことなのか?」
スカイニット:「何言ってるのよ。ラウムの話なんて、あんなものじゃない」
GM:「それにあんた達のその身なり、ただの歌うたいには見えないしな」
ラング:「そんなに凄い歌うたいに見えるのか?」(笑)。
スカイニット:「それほどでもないけどねぇー」……と、その男はどんな感じなんですか?
GM:旅人風。男は言葉を続ける。「実は俺も語り部……みたいなものでね。色んな町を巡り歩いてるんだ」
スカイニット:「へぇ、そうだったの。じゃあここで何か一つ、おもしろい話でもしてくれない?」
GM:「あぁ、いいぜ。なんなら即興で語ってもいい」
スカイニット:「演奏もつける?」
GM:「そうだな……それもいいが……」と男は、ウエイトレスの娘に吟醸、幻龍歌を注文する。「こいつらの分も頼むよ」と。「さて、伴奏もいいが、ここは一つ。俺とあんた達、どちらが語り部としての力があるか、勝負してみないか?」やって。「俺が勝てば、ここの酒代をあんた達がもってくれるだけでいい。もし、あんた達が勝ったなら……これをやるよ」と、男は懐から大きな赤い宝石を、テーブルにドンと置く。
ラング:ほぉー。
クコ:へぇー。
GM:全員霊感で20以上。振ってもらえますか。
クコ:出ない。
スカイニット:出ました。26。
シアン:26。
ラング:失敗。
GM:成功した人には、頭の中に妙な光景が浮かび上がる。『真っ赤な馬が、敷き詰められた鎖の道を、燃える谷に向かってひた走る』イメージ。
シアン:ひゃあー。
スカイニット:なんかすっげぇ危なそう(笑)。
GM:はい、これがその光景。(と、予め用意していたイラストを渡す)
スカイニット:あ、結構綺麗。
シアン:赤い馬が、
スカイニット:真っ赤な谷へ……谷? <谷>なんてカードありました?
GM:つまり<山>の逆位置。
スカイニット:あぁ、それで谷か。
GM:魔法的な匂いがかなりプンプンしてくる宝石みたい。
スカイニット:「へぇ、兄さん。これはかなりの業物んじゃないの?」
GM:「ほぉ、やはりあんた達、ただの歌うたいじゃないようだな。それにそこの料理人と寝てる奴も……なんか変だ(笑)」
シアン:失礼ね(笑)。
スカイニット:「何言ってるの。歌うたいにとって知識は一番の武器でしょ?」……ほんとは口が最大の武器なんだけど(笑)。
GM:「まぁ、そういうわけだ。で、この勝負受けるのか?」
スカイニット:「えぇ、いいでしょう」
GM:では全員で勝負ということで……(マスター、ごそごそと用意を始める……)
スカイニット:全員?
GM:……あ、さっきのイメージ、カードをあげるので、ここから適当に抜いといて……(と、マジックカードの束をスカイニットに渡す)
ラング:<馬>と<赤>と<鎖>やった?
GM:それに<山>も。……えー、男は懐からちょっと変わった絵柄のカードを取り出して、みんなに配り始めます。はい、これどうぞ。(と、実際に取り出したマジックカードとは別のカードを一同に配り始めるマスター)……英語読めない人は、こちらの訳を見て下さい。
一同:…………

 マスターが配り始めたのは、ローズとは全く関係のない、外国製のカードゲーム。『Once Upon A Time』なるそれは、即席で(変な)童話を物語るゲームでした。

スカイニット:うー、英語は苦手だ……
シアン:えーこれは何をするんです?
GM:まずは、一番最初に配った白いカードの意味を確認して下さい。それが物語の結末になります。で、次に配った6枚の黒いカードを場に置いていきながら、即興で話を作っていき、最初にその白いカードの結末にたどり着いた人が勝ち、というゲームです。黒カードは、一文につき一枚置くのが基本なんですけど、無理なくうまく繋いでたら、2、3枚続けてもいいことにします。ようは手札を使い切った人が勝ちってこと。
シアン:……はぁ……
GM:カード男がニヤリと笑う。「俺はこの遊びに慣れてるから、4対1だ。あんた達の誰かが結末にたどり着くことが出来れば、あんた達の勝ち。俺が語り終えれば、俺の勝ちだ」
ラング:ふむふむ。
シアン:『インタラプト』って、なんですか?
GM:はいはい。その黒いカードには、物語を形作る物や場面の他に、インタラプトっていうカードも入ってます。
スカイニット:……一枚もないですけど。
GM:そのうち引きます。で、もしそのカードを持ってたら、強制的に話を遮ることができます。つまり今、場で語られているカードがあったとして、もし、そのカードの中のマークが、手持ちのインタラプトに対応してた場合、とりあえずインタラプトを出して話を止めて、後は自分が好きに語っていっていい、ということです。もちろん、普通のカードとして使うこともできます。
スカイニット:でも、それじゃあインタラプトがないと、話に割り込めないんですか?
GM:いや。普通のカードは普通に割り込めます。つまり……(と、実際にカードを置いて語ってみせる)……『その<継母>は、毎晩、夫が眠ると家を出ていきました。彼女には、ある<秘密>があったのです』……ってな感じ。同じ人が<継母>の後に<秘密>のカードを続けることもできるし、別の人が<秘密>ではなく、『彼女は、町外れの<物乞い>に会いに行っていました』と、その人の話を普通に遮ることもできるん。
ラング:なるほど。
GM:ようは、普通のカードは話の流れがうまく繋がれば割り込めて、インタラプトはマークさえ対応していれば、とりあえず強制的に割り込める。もちろん普通のカードとしても使えるから、インタラプトの方が使いかってがいいわけ。
スカイニット:はいはい。インタラプトは『ところかわって……』とやれるわけやね。
GM:そんな感じ。で、手札を全て使い切った人が勝ち。まぁ、あれこれ説明してるより、とりあえず始めてみましょう。「じゃあ早速始めよう。俺から話して構わないかい?」
ラング:「あぁ」
スカイニット:「人数もこっちの方が有利だしね」
GM:「フッ。その余裕がいつまで続くものか、見物だな」
スカイニット:「まぁ、酒の余興程度にしか思ってないし」(笑)。
ラング:「ってか、なんでそんなに敵対的やねん」(笑)。
GM:男は声の響きも改めて、静かに語り始める。「『昔々あるところに小さな<島>がありました』」……誰も突っ込めへん?……「『そこには一人の年老いた<賢者>が住んでいて、……』」
スカイニット:これ……すぐに割り込んでいいんですか?
GM:うまく話が繋げれるんやったら、ね。「『……この世界をどう平和にしていったらいいものか、毎日色んな考えを巡らせていました』……『そしてある日。賢者はついに思いついたのです。「おお、そうだ! この<指輪>の力を使おう。この指輪の力によって、世の人々を幸せにしよう」と、彼は考えました』」
クコ:「『そして彼は<ボート>に乗って、旅に出ました』」

   (一同爆笑)

GM:うん、そんな感じ(笑)。割り込まれた人は、山からカードを一枚引いて退散。次の機会を狙います。(編注:本来のルールでは、この場合、マスターの話の中に<ボート>、もしくは船といった要素が語られていないと、クコは<ボート>で割り込むことはできません。しかしこれを厳密に行うと、割り込みが困難になり、ゲームとしてのテンポも落ち、なにより変な話になりにくい為(笑)、『うまく話を繋げられさえすればOK』という、かなりアバウトな内輪ルールで行っています。このゲームをご存じな方には、以下、気に入らない内容かもしれませんが、あしからず)
クコ:「『そしてボートは……』」
GM:あぁ、クコさん。手持ちのカードは隠しておいた方がいいですよ。一応競争するゲームやし。(編注:マスターの隣で、手札を机に並べて話の続きを考えていた小人さん。マジックカードじゃないんだってば)
クコ:あ、そんなんや(笑)。「『その賢者は旅先である<若者>に出会いました』」
ラング:「『若者は、賢者に<ごちそう>を振る舞いました』」
GM:「『そして<二人は恋に落ちました>』」(笑)。

   (一同爆笑)

ラング:「『しかし、その賢者は<死>んでしまったのです』」
GM:早っ(笑)。


 
 
 

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